巨人同士の”お見合い”が始まった。トヨタ自動車とスズキは10月12日、次世代エコカーの環境技術や自動運転技術など幅広い分野で業務提携に向けた検討を始めると発表した。

トヨタは環境や安全、情報などに関する将来の技術開発を急いでいるが、欧米各社よりも標準化の面で出遅れていた。一方のスズキは、軽自動車を中心に価格競争力の高いクルマを作る技術はあるものの、巨額の資金が必要な先進技術で出遅れており、提携先を模索していた。

今回はスズキ側から提案があり、両社が抱える課題を解決するためには業務提携が必要との考えで一致。今回の検討は両社間で自由な競争が行われることを前提にし、両社以外にもオープンなスタンスだという。

同日会見したトヨタの豊田章男社長は「同じ志を持った仲間作りが“もっといい車づくり”に役立つ取り組みを検討したい」と話し、自社の次世代技術を普及させたい考えを示した。トヨタはマツダとも昨年、環境技術など幅広い分野で業務提携することで合意。今年8月には従来からのグループ会社で軽自動車に強いダイハツ工業を完全子会社化するなど、提携戦略を加速している。

GM、VWの次はトヨタだった

一方、スズキの鈴木修会長は「独立した企業として経営していく覚悟は変わりない」としたうえで、「情報技術を中心に自動車産業をめぐる技術競争は急速に変化している。スズキは国内は軽自動車が中心、海外はインドが中心。こうした市場においても従来から取り組んできた伝統的な自動車技術を磨いていくのみでは将来は危うい」と述べ、技術開発で先行するトヨタへ提携の打診をした理由を明かした。

スズキはかつて米ゼネラル・モーターズ(GM)と長年提携していたが、GMが経営破綻したことで分かれ、その後は独フォルクスワーゲン(VW)と提携。ただVWとも企業風土が合わず破談に至った。最後に辿りついたのがトヨタだ。

トヨタとスズキの両トップにはどのような心積もりがあるのか。会見における主な一問一答は次ページ以降の通りだ。