「IoT」を導入しても、儲からなかったら意味がない。だが今ほとんどの企業がやっているのは「戦略なきIoT」だ。「使えるIoT」を提供するエスキュービズムの武下真典氏が、3回にわたって「企業がやってはいけないIoT」を具体例を交えてわかりやすく語る。第2回は「IoTとビッグデータ、AI(人工知能)との関係」について。

 第1回「IoT」の絶対にやってはいけない"落とし穴"

今回は、モノのインターネット、IoT(Internet of things)とは「ビッグデータや人工知能を、やみくもに使うことではない」、というお話です。現場でIoTの話をするとわかるのですが、企業の責任者や担当者の中には「IoTを本格的に実行するのだから、この際ビッグデータの解析や、人工知能の導入をしないと意味がない!!」と考えている方がけっこういます。読者の皆さんは、これらの考え方をどう思われますか?

「データさえ集めればビジネスが変わる」という幻想

確かに、センサーのコストが飛躍的に下がってきたので、集められるデータの種類は膨大になってきました。また、人工知能にしても、自動運転を可能にしたり、囲碁で人間に勝ったりするほどの急速な進歩を遂げています。

しかし、闇雲にデータをかき集めたからといって、それがビジネスに変革をもたらしてくれるかどうかは、また別の話です。

私の会社では、飲食店や小売店に「タブレット型のPOS(販売時点管理)レジ」を提供するサービスを手掛けています。導入店舗は5000店ほどで、そこからは日々大量のデータが送られてきます。

そういう事情を知っている人からはよく「大量のデータが集まってきたら、それを解析して、ソリューションとして売ったり課題解決のコンサルティングをしたりするんですか?」と聞かれたりします。

私は「そのつもりはありません」と答えています。