12日の日経平均株価は下落、前日比184円安の1万6840円で取引を終えた。一方、同日のNY市場ではダウは1万8144ドル(前日比15ドル上昇)と小幅反発して終了、為替は1ドル104円台への円安が進んだ。一時のような円高懸念が和らいでいることもあり、ここへ来て日本の株式市場では強気な声が聞かれ始めるようになった。

それでも日本株には強気になれない

日本銀行がETF(上場投資信託)購入枠の増額を決めて以降、筆者の日本株に対する興味は大いに薄れたのだが、いまだに高値圏で推移しているということは、高値でも買う投資家が少なからず存在するということだ。筆者は、これらの「投資家」(おそらく主体は日銀と年金だろうが)に「敬意」を表するものの、今後の日本株の動向については、一歩も二歩も引いて見ていきたいと考えている。

一方で、「株価の調整は必至」と発言する市場関係者も少なくない。理由はそれぞれだが、つまるところドイツ銀行を中心とする欧州の金融機関の問題と、米国大統領選挙に絞られるとみてよいだろう。

まずは前者から検証してみよう。ドイツ銀行にしても、不良債権に苦しむイタリアのモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行にしても、普通に考えれば看過できない状況であることに変わりない。低迷する株価水準(特に後者はわずか1株0.17ユーロ=約20円)を見ればわかる通り、何かが起きれば持たない。株価に織り込まれたというのかもしれないが、今の時点で「何も起きていないから問題ない」とするのは、全くの素人の発想である。

すでに問題は起きているのだが、問題が深刻化してからでは「時すでに遅し」である。ドイツ銀行については、筆者は米国の考え方一つだと思う。住宅ローン担保証券(MBS)の不正販売に絡んで、米司法省は140億ドル(約1.5兆円)もの制裁金支払いをドイツ銀行に求めている。