3兆円の巨額買収の次は10兆円のファンド設立、今年のソフトバンクグループ(以下ソフトバンク)の案件は、とにかくケタ違いだ。

10月14日。ソフトバンクはサウジアラビア王国の政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド」(PIF)と組み、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」(SVF)を設立すると発表した。ソフトバンクとPIFは首都リヤドで10月12日付で覚書を交わした。ファンドはテクノロジー企業を中心に投資していく方針だ。

ソフトバンクは今後5年間で、最低でも250億ドル(約2.6兆円)をSVFにつぎ込む。一方のPIFは同じく今後5年間で最大450億ドル(約4.7兆円)を投じる。さらにほかの複数の海外投資家とも協議中であり、ソフトバンクは「SVFは1000億ドル(約10兆円)となる可能性がある」としている。

サウジの成長戦略に乗る形に

PIFは45年前、1971年に設立された歴史のあるファンド。設立以来、サウジ財務省が管轄してきたが、2015年3月からは、サウジ副皇太子でPIFチェアマンのムハンマド・ビン・サルマンが率いる経済・開発問題協議会(CEDA)へ移管されている。

PIFの投資戦略は、サウジの超長期戦略「ビジョン2030」と連動しているという。同ビジョンは「石油」と「ガス」という2本柱のアラブ経済に新たな柱を創るために投資を加速、現在世界19位の経済規模を2030年までに世界15位にするとしている。

PIFは世界最大の石油埋蔵量と同生産量を誇る国営石油会社「サウジ・アラムコ」の株を保有。同社は上場を視野に入れており、その場合の時価総額は世界首位の米アップルを軽くしのぎ、2兆ドルはくだらないのではないかと見られている。売り出される株はわずか5%と見られているが、それでも1000億ドル。今回のファンドに資金をつぎこんでもおつりが出る。