当コラムでは、筆者は「11月初旬に向けて内外株安と円高が進む」と語ってきた。だが、その後日経平均株価が一時1万7000円を超えるなど上振れし、米ドル円相場もたびたび104円超えを見せた。そのため、読者の皆様にご心配をおかけしたのではないかと、申し訳なく感じている。

「株もドルも上昇!」という割に、なぜ上値が重いのか

しかし一方で、日経平均は1万7000円台定着とは行かず、為替相場も、先週末の7日は1ドル104円台で引けているが、何度も円高方向に押し戻された。「国内株価も米ドル円相場も、一つの目安を上抜けたので、どんどん株高、円安だぁ〜」と一部で騒ぐ向きがいる割には、上値が重い相場であったと言えよう。

先週、日米の株価や米ドル円相場が一時的に下振れた材料として、大きなものとしては二つが語られていた。一つは米アルミ大手アルコアの決算であり、もう一つは、中国の貿易統計だった。

アルコアはいつも決算発表が早く、一番乗りだが、10月11日(火)発表の7〜9月期の決算においては、売上高が前年同期比6%減と減収になったうえ、1株当たり利益も事前の予想を下回り、失望を呼んだ。これが同日、ニューヨークダウ工業株指数が、前日比で200ドル強も下落した主因と言われている。

もう一つの中国の貿易統計は、13日(木)の午前11時に発表され、これが日本株や米ドルの対円相場が急速に下振れた理由だとされている。

なぜ市場に影響が生じたかというと、中国にとって稼ぎ頭である輸出の金額が、9月は対前年で10.0%も減少したとの報が、「輸出減の結果、中国経済がこれから悪化するのではないか」との懸念を招いたためだ。加えて、9月の輸入額も前年比で1.9%減と、8月のプラスからマイナスに落ち込んだ。これは、「中国の景気が悪いから、結果として輸入品の購買が減った」と解釈された。