そっと知らぬ間に株を買い集めて、気づけば保有比率は2ケタ以上。大株主として、会社側に「配当など株主還元の強化」「取締役の派遣」「不採算事業の売却、事業分割」などさまざまな要求を行う――。一般的な「物言う株主」(アクティビスト)のイメージはそんなものだろうか。

復活する「物言う株主」たち

ニッポン放送のインサイダー取引疑惑について会見する村上世彰氏(2006年、撮影:尾形文繁)

2015年から上場会社にコーポレートガバナンス・コードが適用されたことを機に、日本でも株主の権利が重要視されてきている。過剰な資産の貯め込みを戒め、株主価値を重視する動きも強まり、「ROE経営」という言葉も定着しつつある。

個人投資家にとって、まとまった株式を確保することは難しく、会社側に働きかけをするのは難しい。一方で、アクティビストはファンドを組成し、資本の論理を駆使して利益を得る。その内容は冒頭のように経営陣との対話要求から株主還元の拡大、株主提案による取締役の派遣や事業売却までさまざまだ。

日本でも、2000年代前半から中盤に掛けて村上世彰氏が立ち上げた、村上ファンドや米国のスティール・パートナーズなどのアクティビストが東京スタイル(現TSIホールディングス)やニッポン放送(現フジ・メディアHD)、サッポロHDなどに投資し、活発に活動していた時期があった。

しかし、2006年のインサイダー事件で村上ファンドが解散に追いこまれ、スティール・パートナーズも敵対的TOBとその防衛策をめぐって行ったブルドッグソースとの訴訟で敗訴。それにリーマンショックによる市場の冷え込みが追い打ちをかけ、多くのファンドが撤退していった。

ところが近年、再びアクティビストの活動が活発化している。2015年6月に村上世彰氏は娘・絢氏とともに黒田電気に対し株主提案を行い、世彰氏を含む4名の取締役就任を求めた。また、2016年6月には旧村上ファンド出身者が設立したエフィッシモ・キャピタル・マネージメント(エフィッシモ)が川崎汽船株の1/3を取得したことも話題となった。