10月14日の夕方、帰宅ラッシュ真っ只中の京急横浜駅。18時49分、ひっきりなしに電車が発着するホームの片隅から、ちょっと雰囲気の違う4両編成の電車が川崎方面に向けて出発した。車内には「キリン一番絞り」の垂れ幕とちょうちんが下がり、乗客の手にはビールが……。この日運転された「京急×キリンビール横浜工場 90周年記念ビール電車」だ。

このビール電車は、その名の通り京急沿線にあるキリンビール横浜工場が今年で操業90周年を迎えたことと、同工場の見学施設がこの10月1日にリニューアルオープンしたことを記念して運転。平日の夜に走行する電車の中でビールを楽しむイベントは、鉄道ファン向けなどの企画を積極的に展開している京急電鉄でも初の開催だった。

生麦から「生」樽ビールが

発売開始から約5分で完売したという、幸運の切符を手にした約80人の参加者を乗せた電車は横浜を発車すると、一路川崎方面へ。最初の1杯として配られた缶ビールが空になるころ、電車は横浜工場最寄り駅の生麦駅に停車した。この駅で、キリンビール横浜工場の勝間田達弘工場長らが直送の生ビール樽を抱えて登場。車内には歓声が沸き起こった。

「樽を積んできました。皆さん一杯飲んでください!」電車に乗り込んだ勝間田工場長の音頭で、通過する駅のホームにまで届きそうな「カンパーイ!」の声が響き渡ると、いよいよ本格的な「車内の宴」が始まった。生麦駅を発車した電車が目指す先は、京急川崎駅から分岐する大師線。この全長4.5kmの短い路線を2往復して、約2時間のビール飲み放題の旅を楽しむのだ。