東武鉄道は10月18日、東武東上線で今年5月に発生した脱線事故に関して、脱線した車両の台車枠にあった亀裂は事故以前から存在したと推定され、これが要因となって脱線に至ったとみられるとの調査結果を発表した。

今回の内容は、東武と同社が協力を依頼している鉄道技術総合研究所が行った調査に基づく中間報告で、国土交通省運輸安全委員会による調査も継続して行われている。

事故は5月18日の午後0時12分ごろ発生。東武東上線の中板橋―大山間で、10両編成の池袋行き普通電車のうち、5両目の後ろ寄り台車2軸が脱線した。事故後の調査で、脱線した台車の右側に亀裂が入っていたことが確認され、これが脱線によって生じたのか、あるいは事故以前から存在したのかに注目が集まっていた。

80万㎞走らないと生じない亀裂

東武によると、脱線の原因は台車の「側(がわ)ばり」と呼ばれる部分に亀裂が入ったことにより、本来は各車輪に均等に伝わるはずの車体重量がアンバランスとなり、かかっている荷重の小さい車輪がレールに乗り上がったことと推定されるという。

台車の亀裂の長さは約180㎜。同社によると、台車の検査マニュアルに基づく亀裂の進展シミュレーションでは、この程度の亀裂が生じるには約80万㎞の走行距離が必要とされていることから、今回の亀裂が脱線事故以前から存在したとみている。亀裂断面にサビが生じていたことから、亀裂が事故前から存在したとの見方については、今回の推定には関係ないという。