名古屋鉄道(名鉄)は2016年3月期決算で、営業利益が24年ぶりとなる過去最高益448億円を記録した。5円配当にいたっては、46年ぶりという好実績だ。不採算部門の整理と、利益部門へのテコ入れという経営の王道を進み、みごとにその成果を結実させた復活劇をまとめた。

利益の大黒柱は鉄道事業

2016年3月期決算における名鉄の事業別営業利益を見ると、全利益のほぼ半分にあたる220億円余りを交通事業が稼ぎ出している。その交通事業の内訳をみると、鉄軌道事業が153億円と、約7割を占める。全営業利益に占める鉄軌道事業の営業利益は34.1%と、3分の1以上を稼ぎ出していることになる。名鉄が、大手鉄道事業者である証とも言えよう。

24年ぶりに営業最高益を更新した名鉄だが、24年前といえば1992年3月期だ。バブル期最後の決算で、名鉄に限らず日本の産業界は翌年以降、“失われた20年”に突入していく。その過去の栄光に対して、四半世紀をかけてようやく復活した格好だ。

その間の鉄道事業に関する主な動きをみていこう。

1987年4月1日に、国鉄が分割民営化された。このとき、名鉄と競合する路線をもつJR東海が誕生した。JR東海が運営することになった東海道本線のうち、岐阜〜尾張一宮〜名古屋〜岡崎〜豊橋は、名鉄名古屋本線とほぼ併走している。

特に、岐阜〜名古屋間はほとんど併走しているうえ、紆余曲折のうえ開通した名鉄名古屋本線に急曲線が多いのに対して、東海道本線は線形が良い。さらに、名鉄岐阜駅(当時は新岐阜駅)の構内手前でJR東海道本線と立体交差するのだが、ここはわずかな区間ながら単線となっており、ダイヤ設定の制約を受ける。