若者の流出に歯止めをかけるアイデアは「1000円の婚姻届」だった。

東京都立川市が販売する「プレミアム婚姻届」は、通常の無味乾燥な婚姻届からかけ離れた、かわいらしいデザインが特徴だ。中身は実際に提出した婚姻届の複写。白く分厚い台紙が付き、小さなアルバムのような作りになっている。表紙部分に二人の思い出の写真を入れ、インテリアとして部屋に飾っておくこともできる。

手元に婚姻届を残せることや、斬新なデザインが人気となり、北は北海道、南は沖縄まで、プレミアム婚姻届を求め、今や立川を訪れるカップルが急増しているのだ。

駅前は活気があるものの、市の悩みは…

立川は東京駅からJR中央線で約40分、東京都の西部に位置する。市の中心である立川駅前には、ルミネや伊勢丹、高島屋など商業施設が建ち並び、平日でも人がごった返している。JR東日本によると、中央線の中で乗降者数が新宿と東京に次いで多い駅(2015年)だ。

女性を意識した、かわいらしいデザインだ(写真:立川市提供)

活気があるように見える立川だが、悩みは人口流出だった。20代〜30代の若者、特に25歳〜39歳の比較的若い層が、都心部へ移転するケースが多く、転出超過に陥っていたのだ。若い層が減少が続き、将来の人口減少が危ぶまれた。

人口減にどう対策を打てばいいいのか。2015年、立川市は20〜40代の職員の中から地方創生のアイデアを練る人材を募集。同年6月に集まったのは16人の職員だった。これを3つのグループに分け、各グループで対策を練っていった。街コンや育児アプリなど、さまざまなアイデアが浮かんだ中で、新しい形の婚姻届を販売する案が選ばれたのだった。