日本での睡眠障害による経済的損失は、年間約3兆5000億円と試算されています。これは国内総生産(GDP)の0.7%が、毎年失われていることになります。たかが睡眠不足なだけ――。と思われがちですが、睡眠は毎日のこと。睡眠不足や睡眠の不調が毎日少しずつでも蓄積されるとこれほどの大きな金額になります。

金額が大きすぎてイメージしにくいかもしれませんが、1人当たりの年間額では、男性が25万5600円、女性で13万7000円です。つまり睡眠障害のために、毎月1万〜2万円も損しているわけです。これは、たかが睡眠不足、たかが眠れないだけと軽視できる金額ではありません。睡眠不足を少しでも解消していかなくては、という気持ちになってきませんか?

また、米国では不眠や疲労が関係した事故が、交通事故全体の4〜5割を占めるといわれています。さらに、死亡事故の6割弱が、不眠や疲労、睡眠不足によることがわかっています。皆さんも自動車を運転中に、ヒヤッとしたことがあるのではないでしょうか。

専門的には、睡眠不足のことを「睡眠負債」と呼びます。私たちは睡眠不足という借金を、毎日眠ることで返しているのです。ここでは、自分の睡眠負債(=睡眠不足)の量を知って、それを効率的に返済・解消していく方法について、詳しくご紹介します。

眠気だけが睡眠負債のサインではない!

長い時間、運動を続けていると、筋肉に疲労物質がたまって、十分な力が発揮できなくなります。脳でも同じことが起こり、脳が働く時間と量に比例して、睡眠促進物質がたまってきます。睡眠促進物質が増えすぎると脳が壊れてしまうので、睡眠促進物質の生産を止め、さらにこれを分解するために、脳の働きを止めて眠る必要があります。