私が『普通の服を、はっとするほどキレイに着る』を書く一つのきっかけは、ちまたで流行っているユルいファッションに対して、一言「もの申す」という気持ちがありました。トレンドとか流行に振り回されている人たちが多いことも気になっていました。それも大人の女性である40代以上の方たちが、何を着ていいのか迷ったあげくに、SNSや雑誌、テレビ番組などで取り上げられる「流行りのファッション」に手を出している。

でも、おカネをかけた割にはすてきに見えないし、気が付いたら周りもみな同じようなスタイルで愕然とし、壁にぶち当たるわけです。「何を着たら良いのか分からない」「なぜか、今まで好きだった服が似合わなくなった」といった具合です。

キレイに見える服を選べばよい

でも、似合う服が少なくなった時がチャンスです。なぜなら選択肢が減ると、その分迷わないで済みますから。狭い選択肢の中で、自分にとって心地よく、キレイに見える服を選べばよいのです。流行りものを身に着けた人より、シンプルな装いで何だかキレイな感じのひとのほうがすてきではないですか? そこからが「大人修行の始まり」です。

私は、読者層の大半であると思われる方たちよりも、かなり上の世代に属しています。長年、アパレルデザイナーという仕事に携わってきた服作りのプロとしての経験から、大人の女性がすてきに見える「価値ある服の選び方」や自分の制服でもある「パーソナルスタイルのつくり方」について細かく書きました。

今書店の店頭には、あらゆる世代の迷えるおしゃれ難民へのメッセージである「おしゃれ指南本」があふれています。有名スタイリストをはじめとして、超人気ブロガーさん、おしゃれ番長のタレントさんなど…どの本が自分に取って役立つのか、ますます迷ってしまうことでしょう。

私はデザイナーと平行して、5年ほど前に、クローゼットに眠ったままになっている価値ある服を再生するお直しサロン「REMODE・リモデ」をスタートしました。断捨離ばやりの昨今ですが、上質な服や、思い出のある服など、捨てられない服を皆さんたくさんお持ちになっています。