有名な話ですが、亡くなったアップルの創始者、スティーブ・ジョブズは、いつも同じ服を着ていました。イッセイミヤケの黒いタートルネックTシャツに、ぼろぼろのジーンズです。一体何故でしょうか。服装がトレードマークだから、といった見方もできるかも知れませんが、最大の理由は、「服を選ぶための時間を仕事に使いたい」ということのようです。

これは、ジョブズに限ったことではありません。日本でも、有名な経営者やコンサルタントの中にはこれと同じ理由で毎日同じ服を着る人がいます。例えば、経営コンサルタントの大前研一さんは、大体いつもスタンドカラーのシャツを着ています。今最も人気の高い「nendo」というデザイン会社を率いる佐藤オオキさんも、毎日同じ白いシャツを着ることが多いそうです。最初こそ、クライアントのブランドを理解するために着ていたそうですが、使い続けるうちに好きになって、同じシャツが20枚あったり、同じ靴が4足あったりする。少ない種類のアイテムで、数だけが増えていくのだそうです。

向田邦子は、「同じ服」を「色違い」で大量買いした

もう少し時代を遡ると、戦後に大活躍した放送作家で、小説家の故・向田邦子氏にも同じことが言えます。同じ服を色違いで、お店から在庫が無くなるくらい大量に購入していたらしいのです。向田邦子は30年以上前に亡くなっていますが、今なお毎年新しく本が出版されています。美人でおしゃれで仕事ができて、恋人もいて…という彼女の生き方は、生前の活躍を知らない30〜40代の働く女性にとっても、憧れの存在であり続けているようです。