押収品は慈善団体に寄付。

ロブスターは重要な水産資源

 ブラジル海軍は2023年5月13日、アマパ州沖の海上で、違法に漁をしていた船舶を拿捕し、ロブスター1トンを押収したと発表しました。

 巡視船「グアルジャ」はアマパ州から270海里(約500km)の沖合で、違法に操業している漁船を発見。これを臨検したところ、3000mの網と25個のブイに加え、ロブスターなどの甲殻類を大量に発見したといいます。船を拿捕したのは国連海洋法条約で定められた排他的経済水域である200海里(約370km)より外側でしたが、違法な漁具を所有していたため違法操業とみなされたようです。

 漁船はセアラ州のカモシン港で登録されていたそうですが、乗組員に関してはいずれも漁船の運転免許を持っていませんでした。

 ロブスターはブラジルの重要な水産資源で、毎年3億7500万レアル(約1000億円)の外貨を生み出しているそうです。しかし、得られる収入が大きいため密漁も多発。ロブスター資源の減少以外にも、違法に使った罠や網に含まれる有害物質、油などによる水質汚染なども懸念されているそうです。

 ちなみに、近い種類である日本の伊勢海老の場合1kgで5 〜6人前なので、単純に今回の押収品をこれに合わせると、5000〜6000人前分になります。なお、押収したロブスターは、社会的に弱い立場にある人々を支援する慈善団体に寄付されたそうです。