在来線で日本一長い路線はJR西日本の管轄で、同社在来線の16%をも占めています。しかしその路線はかつて、日本一ではありませんでした。そこには、「在来線の長さランキング」ではありますが、「新幹線」が大きく関係してきます。

JR西日本の在来線、そのうちの16%がこの路線

 往時よりは数を減らしているとはいえ、まだまだ日本全国に敷設されている鉄道の在来線。そのうち最も長い路線は、どことどこを結ぶものなのでしょうか。

 それは日本海へ沿うように鳥取駅、米子駅、松江駅、出雲市駅などを経由し、京都駅と幡生駅(山口県下関市)を結ぶJR西日本の山陰本線です。営業キロは673.8kmもあり、JR西日本が管轄する全在来線のうち、実に16%をこの山陰本線が占めます。JR西日本の在来線は合計で4194.5km、新幹線を含むと5007.1kmです。

 なお、山陰本線には「仙崎支線」と呼ばれる2.2kmの支線が山口県内にありますが、この記事ではそうした「支線」を除いて計算しています。

京都〜幡生間673.8キロ、直通列車なし その所要時間は特急を使っても…

 この「日本最長」である山陰本線、もし「全線走破」を試みた場合、最短でも以下の乗り継ぎで12時間以上を要します。現在、山陰本線の全線を直通する列車は運転されていません。

京都 1025(特急「はしだて3号」)1144 福知山 1146(特急「こうのとり5号」)1250 城崎温泉 1317(173D)1413 浜坂 1420(535D/1537K)1505 鳥取 1508(特急「スーパーまつかぜ7号」)1903 益田 1909(1577D)2058 長門市 2110(827D)2258 幡生

 ちなみにかつては、京都・大阪と博多を山陰本線・福知山線経由で結ぶ特急「まつかぜ」や、北九州市の門司駅と京都府の福知山駅を結ぶ長距離普通列車も走っていました。1973(昭和48)年のダイヤでは、特急「まつかぜ2号」は大阪駅を8時00分に発車し、終点の博多駅到着は20時50分。普通列車(824レ)は門司駅を5時24分に発車し、終点の福知山駅到着は23時50分です。

 しかし実は山陰本線、「日本最長の在来線」の座に君臨して、まだ15年もたっていません。かといって、山陰本線の線路が延びて「日本最長」になった、というわけでもありません。

「在来線の日本最長」に深く関わる「新幹線」 しかし、いまなお

 かつて「日本最長の在来線」は、宇都宮駅や福島駅、仙台駅、盛岡駅を経由し東京〜青森間739.2kmを結ぶ東北本線でした。

 しかし2002(平成14)年、東北新幹線が盛岡駅から青森県の八戸駅まで延伸開業。それにともない、「並行在来線」である東北本線の盛岡〜八戸間107.9kmが第三セクター会社のIGRいわて銀河鉄道と青い森鉄道へ移管されます。これによって東北本線は、「日本最長の在来線」の座を山陰本線へ譲ることになったのです。

 そして王座にいた東北本線はこののち、さらにランキングを落としてしまいます。

 2010(平成22)年、東北新幹線が八戸駅から新青森駅まで延伸開業。これにともない、「並行在来線」である東北本線の八戸〜青森間96.0kmが青い森鉄道へ移管され、東北本線は東京〜盛岡間の535.3kmへさらに短縮されました。そして「在来線で長さ2位」の座も、東京〜神戸間589.5kmの東海道本線へ明け渡すことになったのです。かつての王者、東北本線は現在、3位です。

 ちなみに、在来線のみならず新幹線を含めると、日本で最も長い鉄道路線は東京〜新青森間674.9kmの東北新幹線。いまなお、「東北」が最長です。