JR東海が2017年1月、700系新幹線の「全般検査」を終了。また一歩、700系のラストランが近づきました。

36か月後に走れなくなるJR東海の700系

 2017年1月10日(火)、JR東海の浜松工場(静岡県浜松市)において、その先頭形状から「カモノハシ」とも呼ばれる700系新幹線電車の「全検」が終了。そのラストランがまた一歩、近づきました。

 クルマと同様、鉄道車両にも受けねばならない定期検査があり、そのうち最も大掛かりなものを「全般検査(全検)」といいます。車両から部品を取り外して細部まで徹底的に検査、修繕するもので、いわばオーバーホールといえるでしょう。浜松工場は、JR東海の新幹線車両が前回のそれから36か月を経過する以内、もしくは120万キロ走行する以内に、この全検を受ける場所です。

 2017年1月10日(火)に、浜松工場でこれまで行われてきた700系の全検が終了したということ。これは言い換えれば、もう浜松工場に700系は全般検査で入場してこない、ということ、さらに言い換えれば、次にその車両が全般検査を受けねばならないとき、すなわちこのまま特に何もなければ、2017年1月から最長で36か月後が「JR東海700系の寿命」ということになります。全般検査を受けないと、その車両で営業運転できません。

 JR東海は2015年10月、東海道新幹線の車両をすべてN700系(N700A)にすることを発表しています。その期日は2019年度末まで。2017年1月の36カ月後は、2020年(2019年度)1月です。

 700系は、1999(平成11)年3月に営業運転を開始。JR東海によると、このたび浜松工場で「700系最後の全検」を受けたのは、700系のうち「C54」と呼ばれる編成とのこと。2003(平成15)年に製造された編成です。

東海道新幹線からの700系引退、それにあわせて消えるもの

 東海道新幹線からの700系引退、それによって、東海道新幹線から喫煙車がなくなります。700系は10号車(グリーン車)と15、16号車(普通車)が喫煙車ですが、N700系は全車禁煙です。しかしN700系は16両編成のうち4か所に喫煙ルームを備えるため、今後、東海道新幹線でタバコが吸えなくなる、というわけではありません。

 電車の側面には行先などの表示がありますが、JR東海の700系車両が引退すると、全新幹線から昔ながらの幕を用いた行先表示がなくなり、すべてLEDになります。幕式の行先表示は終点などでその幕を回すため、さまざまな行先が現れ旅情を刺激することなどから、それを好む人も少なくありません。しかし現在、新幹線車両で幕式なのはJR東海の700系だけであるため、その引退で新幹線から幕式が消えます。

 なお700系にはJR西日本の車両もあり、こちらの去就については特に発表されていません。そのため東海道新幹線から700系が姿を消したあとでも、山陽新幹線でJR西日本の700系が引き続き走る可能性があります。このJR西日本の700系は、車両側面の行先表示がJR東海の車両と異なり、幕式でなくLEDです。

 現在、東海道新幹線ではJR東海とJR西日本の700系が走っていますが、その見分け方はいくつかあります。外見で分りやすいのは先述の行先表示と、運転席の側面。そこに青色で「JR700」と書かれていたら、JR西日本の車両です。

 車内では、客室へ入る扉の上に「JR西日本」といった表記があるほか、座席の色(濃い青がJR西日本車)や車内放送のチャイム(JR東海車は『AMBITIOUS JAPAN!』、JR西日本車は『いい日旅立ち・西へ』)などに違いがあります。

【写真】海を渡った700系新幹線のDNA