1995年の『北斗の拳』、2009年の『ドラゴンボール EVOLUTION』、日本の大ヒット原作がハリッウッド製作にかかると、鳴かず飛ばずになるジレンマ。これを克服し、これから世界的な大ヒットを望めるのか。


全世界1900万部の発行部数を誇る、大人気ライトノベル『ソードアート・オンライン(SAO)』(電撃文庫)がハリウッドで、実写ドラマ化することが8月に発表された。原作者の川原礫氏は自身のTwitterで、大きな喜びと期待感をにじませた。



「私は海外ドラマ大好き人間なので、今回の実写化には全力でわくわくしています。原作やアニメ版のファンの皆様の中には不安に思う方もおられるかもしれませんが、今回の実写テレビシリーズの成功が、原作やアニメの更なる展開に繋がることもあろうかと思いますので、どうぞ応援して頂ければと!」



制作会社は『ターミネーター』『M:I』などの実績



SAOの舞台は、世界初のVRでの多人数参加型オンラインRPGの仮想世界。



主人公キリトらは、その世界で自発的なログアウトが不可能になり、「浮遊城アインクラッド」の最上部第100層のボスを倒さなければ、脱出することができなくなる。極限状況の中での、裏切りや戦い、ヒロインの剣士・アスナとの出会いや交流を描いている。



川原氏はこの作品を、2002年より電撃ゲーム小説大賞用に、オンライン小説としてホームページに公開。2008年に『アクセル・ワールド』という作品で、第15回電撃小説大賞を受賞すると、一気に注目を浴びた。



そして今回、全世界配信の実写映像化権を獲得したのは、アメリカのカリフォルニア州にある多角的メディア企業のスカイダンス社。過去に、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』や『ターミネーター:新起動/ジェニシス』など、数々の有名作品を製作している。



実写化のトラウマ『ドラゴンボール』



実写のトラウマ『ドラゴンボール EVOLUTION』 (C)2012 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

『ドラゴンボール EVOLUTION』 (C)2012 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.




製作決定の発表に、ネット上でのファンの反応は「SAO実写化とか最高すぎる」、「日本人がよく思わないのは当たり前だからアンチはやめてあげて」、「なんでも実写化するんじゃない」、「もう実写化祭りであまり驚かなくなったわ… 」など、賛否の声が上がっている。果たして、これまでの日本原作ハリウッド作品のイメージを払拭できるのか。映画誌ライターは次のように見ている。



「『ドラゴンボール』では興行成績も振るわず、作者の鳥山明がインタビューで『あまりにも世界観や特徴をとらえてなくて、面白いとは思えない内容だった』と、不満を漏らしています。ハリウッド側のCG技術に偏重した姿勢が、面白い作品になる芽を摘んだとの見方もあります。ただSAOの場合、序盤から仮想空間の世界のため、上質なCGはハマると見応えのある作品になる可能性はありますね。根っからのファンに納得いく仕上がりにはならなくとも、世界配信されることでのファンが増えて、さらには日本原作の認知度が広がる。そんなメリットはあります」



2017年春には日本でアニメ映画『劇場版ソードアート・オンライン—オーディナル・スケール』が公開される。国内から海外にと、これからますます日本が世界を席巻していく。



(文:会田錦司)