2009年、ニューヨークのハドソン川で起こった“奇跡”と賞賛された航空機事故の驚愕の生還劇。その知られざる真実に、クリント・イーストウッド監督と主演トム・ハンクスのアカデミー賞®コンビが迫る、問題作にして究極のヒューマンドラマ『ハドソン川の奇跡』が9月24日(土)より公開となる。



いよいよ公開が目前に迫る中、トークショー試写イベントが9月20日(火)に行われた。「ハドソン川の奇跡」の当事者であるUSエアウェイズ1549便に乗り合わせていた日本人搭乗者である出口適(でぐちかなう)氏と、滝川裕己(たきがわひろき)氏の奥様・真以(まい)氏、航空アナリストの鳥海高太朗(とりうみこうたろう)氏が登壇。さらに2009年当時、朝日新聞外報部に勤め、報道の立場で関わった朝日GLOBEの記者藤えりか氏が司会を務め、まるで報道の現場のようなトークショーを展開。奇跡を体験した当事者、航空機事故の専門家、報道記者、三者の目線でハドソン川の奇跡について語った。



本作は2009年1月15日、極寒のニューヨーク上空855mで乗員乗客155人を乗せた航空機の全エンジンが停止。160万人が住むマンハッタン上空で制御不能の70トンの機体をサリー機長はハドソン川へ不時着させることをたった208秒で決断する。絶望的な状況の中、ハドソン川に不時着させ全員生存という奇跡を起こしたサリー機長は、英雄として称賛されるが、一方で「ハドソン川への不時着は本当に正しい判断だったのか?」と容疑者にされてしまうのだった…。



何よりも驚きなのが、この事故を実際に体験した日本人がいたことだろう。その一人が出口さんだ。出口氏は当時の状況を振り返り「飛行機の後ろから2〜3番目に座っていて、正直何が起きたか把握していませんでした。機内アナウンスも『不時着するので衝撃に備えて』と一回だけで、何が起きているのか分からなかったです」と危機迫る機内の様子を懸命に語る。



もう絶体絶命のピンチの中航空機が不時着すると、航空機の中には水が押し寄せ「不時着してから直後に川の水が入ってきました。ひざ下くらいまで水が着て内心焦りました。席が後ろの方だったから翼の上に行くまで時間がかかりましたね。水も冷たかったです」と脱出の様子を赤裸々に明かした。



サリー機長でなければ全員生存できていなかったかもしれず、出口さんにとって命の恩人とも言えるサリー機長。本作では事故後サリー機長が容疑者になってしまうという知られざる真実が描かれるが、もう一人の生存者である滝川氏の奥様・真以(まい)氏は「主人の会社から連絡が来て事故と主人の無事を知りました。主人はこれから先、飛行機に乗れるのか?精神的に大丈夫かな?と心配でした」と振り返る。そして滝川さんが当時救助された際に支給されたアメリカ赤十字の毛布を持参し、今も記念に大事に取っているというエピソードを明かした。



航空機の専門家である航空アナリストの鳥海高太朗氏は、本作の事故の原因を鳥がエンジンに入ってしまうバードストライクが原因だと分析。そしてこの事故が奇跡と言われることについて「1月ということで川が凍っていなかったこと、着水する川に船がなかったこと、燃料が満タンだったため火を噴かずに不時着できたことは奇跡だと思いますね」と指摘。専門家の目から見ても乗員乗客155人全員生存は奇跡の事故だったと裏付けた。さらに航空機が街中に突っ込んでいたら未曽有の大惨事になっていた可能性もあったという。そうならなかったのはやはりサリー機長の技量によるものが大きかったのだろうと締めくくった。



本作は乗員乗客155人全員生存という奇跡の事故を基に、サリー機長の知られざる真実を描いた本作。実際の体験談を聞いたお客さんからは盛大な拍手が送られ、奇跡を体験した出口さん、滝川裕己さんの奥様・真以(まい)さん、航空機の専門家鳥海氏によるトークショーは大盛況のうちに幕を閉じた。


映画『ハドソン川の奇跡』

9月24日(土)丸の内ピカデリー、新宿ピカデリー他全国ロードショー





監督:クリント・イーストウッド(『アメリカン・スナイパー』『硫黄島からの手紙』)

キャスト:トム・ハンクス(『ダ・ヴィンチ・コード』『フォレスト・ガンプ/一期一会』)、アーロン・エッカート『ダークナイト』、ローラ・リニー他

配給:ワーナー・ブラザース映画