2015年〜16年に放送された『手裏剣戦隊ニンニンジャー』(テレビ朝日系)の“モモニンジャー”で大活躍した女優の山谷花純。


2008年、木村拓哉の主演ドラマ『CHANGE』で女優デビューして以来、数々のドラマや映画に出演してきたが、10月1日公開の映画『シンデレラゲーム』で、初めて主役を演じることになった。



今回映画でアイドル役となる山谷。実際のアイドルと話を重ねたなかで見つけたものは何か? そんな彼女に今回の作品について色々と聞いてみた。



また、「映画が好き」という彼女にどんな作品を見ているのか聞いたところ、とどまるところを知らない映画への想いも熱く語ってくれた!



芸能界は「自分の夢を追いかけるという気持ちだけじゃできない」



─「勝てばトップアイドルに、負ければ死んでしまう」という内容ですが、こういう作品の主演のお話をもらったときはどんな気持ちでしたか?



山谷花純(以下、山谷):作品に関係なく、初めての主演ということで、どこかしらで特別な感情というのは抱いていました。今まではデスゲームとかサイコ的な作品でやらせていただくことが多かったんですが、わりとどこかのタイミングで死んでて(笑)。



今回は主役だから、何年もかかって生き残ることができるのかなって、ちょっと希望が先にきましたね。



私が演じる灰谷沙奈という役を中心に、いろんな人との関係性や、物語の進み方も決まるので、芯が弱いけど、真ん中に立つというところで「ブレたらいけないな」って思いながら撮影に臨みました。



─ご自身の中で、主人公のキャラクターに共感する部分はありましたか?



山谷:自分の年代っていうのもあるのかもしれないですが…。この業界でも、楽しくみんなと仲良くやれたら一番幸せなんだけど、自分の夢を追いかけるという気持ちだけじゃできなくって、負けん気が必要だったりとか、ブレてはいけない気持ちだったりとか…。



そういうのは小さい頃からやってきた中で、先輩や同年代の子たちを見てきて、私にとってはすごい身近な心情だなって思ったので、むしろ「わかるな、この気持ち」という共感のほうが強かったと思います。



アイドルを取材「シビアな世界」



─実際、アイドルの方にお話しは聞きましたか?



山谷:アイドルやってる子たちに「グループ活動ってどんな感じなの?」とか、いろいろ聞きました。「リーダーをやることは大変」だとか、「グループ内での立ち位置」だったりとか。年齢のこともそうだし、シビアな世界だな…と感じましたね。



アイドルを演じるにあたって、現役のアイドルに自ら話を聞きに行った山谷 (C) 2016「シンデレラゲーム」製作委員会

アイドルを演じるにあたって、現役のアイドルに自ら話を聞きに行った山谷 (C) 2016「シンデレラゲーム」製作委員会




─リーダーだと、仕切っていかなければいけないという部分?



山谷:スタッフさんに、グループのことを言われて「リーダーから伝えておいて」ということが多いみたいなんです。リーダーがいないとまわらないしまとまらない、ある意味グループの犠牲者ですけど、スタッフさんにも信頼されてるっていう証でもあると思うんですよね。



─「立ち位置」っていうと、キャラクターみたいなものですかね?



山谷:それもありますけど、やっぱりセンターですよね。AKB48さんのように総選挙で分かりやすく決める形もあるけど、そういったチャンスってすごく少ない。ほとんどは成り行きで決まるとか。



でも、センターは尊敬される存在だったりする場合もあるし…。



この作品をやらなかったら、そこまでアイドルに対して興味を持つとか、自分から探そうとも思わなかったですしすごくいいきっかけになりました。



主演で大きかったのは「プレッシャーではなく責任感」



─印象に残っているシーンなどはありますか?



山谷:ラストの浜辺のシーンはすごい印象に残ってます。



それまでは撮影のスケジュールはバラバラだったんですけど、クランクアップの前は本当にラストのシーンだったので、余計に「この作品を乗り越えた」っていうか、闘ってきた感覚がありました。スタッフさんのお心遣いにすごい感謝しました。





このシーンだけは監督がずっとカメラの横にいて。一緒に海の中に入ってびしょびしょになって、「もっと叫べ、もっと叫べ!」って大声で言って。カメラの前に(監督と)一緒に立てたような感覚でした。



─初めての主演ということを、ブログでは「真ん中に立って見える世界」と書かれていました。どんな世界が見えたのでしょう?



山谷:今までも1人じゃできないお仕事で、沢山の方にお力を借りてカメラの前に立っているというのはいつも思っていたんですが、それが明確に見えたのが主役という“真ん中”に立ったときだったんです。



逆に周りの方が気を遣ってくれるのが分かるから、私もこの人たちに芝居で返さないと、という気持ちも生まれました。



あと、主役は物語の主軸だということもあるので、全てのキャストと絡むんです。だからこそ一人一人ともコミュニケーションがとるときに言葉だけじゃなくて、背中で伝えられたらいいなって思いながら現場に立ってました。



主演というプレッシャーはそこまで感じなかったんですけど、責任感はすごい感じましたね。



「モモニンジャー」と山谷花純



─昨年の『手裏剣戦隊ニンニンジャー』でモモニンジャーを演じた時とは、どういった違いがあったのでしょうか?



モモニンジャーとして活躍した『手裏剣戦隊ニンニンジャー』 (C)2015テレビ朝日・東映AG・東映

モモニンジャーとして活躍した『手裏剣戦隊ニンニンジャー』 (C)2015テレビ朝日・東映AG・東映




山谷:去年はもちろん1年間、ひとつの色や役を自分がやるっていう上では責任感はあったけど、やっぱり真ん中に立つのは「赤」だし、赤のサポート役を任された1年でもあったんです。



そこの部分が開放されたとき、背中が軽くなったのを感じたので、自分が真ん中に立ってないけど作品としてよくするために、すごい何か考え過ぎてたのかもしれないけど、背負ってたものがあったんだな、と終わったときに感じました。



─モモニンジャー役は1年間という長期間でしたが、今回主役を演じるにあたってそれは大きな経験になりましたか?



山谷:大きいですね。同年代の子と一緒に仕事して頼られて、年下の子も出てきて、自分が今までは一番年下だったのに、そうじゃなくなってきたんだって。自分の年齢の変化だったりとか経験が重なってきたっていうのが身に沁みて感じることだったりとかして…。自分が今まで聞いてきた人たちの真似役(?)をやってるって感じですね。



去年、戦隊をやって、自分が憧れていた先輩方にちょっとずつ近づいていく練習みたいな。その第一歩を踏み出した1年だったなと思います。



中島哲也監督と…



─今年で20歳になられるということで、次はどんな1年にしたいですか?



山谷:来年で芸歴10年目なんですよ。長いので、節目の年でもあるから。自覚あんまりないんですけど…。



私、どの取材でも行っているんですが(笑)、中島哲也監督の作品に出たいんですよね。『告白』でご一緒した時に、お芝居の1から10までを教えていただいて、「お芝居は楽しい」というのを教えていただいたんです。



だからこそ、中島さんともう一度やるのが私の目標で夢です。中学1年生だった私が20歳になりましたよっていうことを是非見せたい。変わってなかったらまた怒られるんだろうな(笑)。



止まらない“映画愛” 「TSUTAYAさんは選びやすい」



─なるほど。ところで、普段はどんな映画を観ているのですか?



山谷:デイビッド・フィンチャー監督が大好きで、『ベンジャミン・バトン』や『ドラゴン・タトゥーの女』、『セブン』、『ファイト・クラブ』とかがすごく好きで、今はデヴィッド・フィンチャー監督のDVDをコレクションすることが趣味です。


デヴィッド・フィンチャー好き(『ベンジャミン・バトン』 (C)2009 Warner Bros. Entertainment Inc. and Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.)

デヴィッド・フィンチャー好き(『ベンジャミン・バトン』 (C)2009 Warner Bros. Entertainment Inc. and Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.)



漫画とかもそうなんですけど、自分の側に置いておきたいですね。何回も観たいですし。



─それでは、最初にご自身で購入された映画は?



山谷:去年一人暮らしを始めたときに『ファイト・クラブ』と『ベンジャミン・バトン』を一緒に買った記憶があります。あとは『へルタースケルター』もあるし、自分が出た作品は全部実家にあるんですけど。



最近は映画好きの子から話を聞いて、私と同じ歳くらいでアカデミー賞をとったグザヴィエ・ドラン監督の作品『Mommy/マミー』とか『トム・アット・ザ・ファーム』とか、私の同年代の役者の男の子たちがみんな絶対観てる監督の作品なんですよ。今、結構熱いです(笑)。



私の行ってるTSUTAYAにも、そのコーナーが出来てたんですよ。特集されてるのを見て、今きてるんだなと思って。



TSUTAYAさんて、映画の解説があるじゃないですか。お薦めとか年代別になってたりとかするのが、すごい選びやすくて。助かってます。



ホラー映画に出演する前には『ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ』っていう作品を観たりしました。ロバート・デ・ニーロさんが主演でダコタ・ファニングちゃんが本当に小さい頃の作品なんですが、その作品はお化け系のホラーじゃなくて、精神的な面で追い詰めていく内容で、それは最後までゾクゾクして終わるのがすごいよかったです。



─映画は洋・邦問わずにご覧になってますか?



山谷:あまり気にせず、お店にふらーっと行って、タイトルを見て、観たいと思ったものを観てますね。



映画は決め打ちではなく「ふらっと立ち寄って」選ぶという山谷

映画となると、話が尽きない山谷




あとは、私が学生役も大人の役も演じられる年齢もあって、今は学生役をやらなくなった女優さんたちが、私と同じくらいの歳のときに出演していた作品が気になっていますね。



最近観たのは、石原さとみさんが10代の時に主演した『包帯クラブ』とか。



あとは、鈴木杏さんがヒロインで出ている山崎貴監督が13年前に撮った『リターナー』。山崎監督とは『寄生獣』に出演してからよくしていただいて、「どういう風に撮ったんですか?」とか聞いたりして。「今では簡単につくれるSF作品も、あの当時では厳しいものがあった」っていう話を聞いたりとか。



そういうのを聞くと、映画の歴史だったり、撮る人たちなりの闘いがあったりとか、でもそれが改善されていくんだなとか、それがあったから今の映画があるんだな、と思いました。そういうのも含めて、私は映画が好きなんですよね。



(文:中西啓)



『シンデレラゲーム』 初日舞台挨拶 概要

日時:10月1日(土) 10:00〜の回(上映終了後舞台挨拶)



場所:シネマート新宿 SCREEN1



【チケット料金】2,000円均一(全席指定席)



【チケット販売方法】「チケットぴあ」にて販売



■一般販売 2016年9月24日(土)10:00 〜9月30日(金)23:59