1年前に吹石一恵と結婚し、世の中を驚かせた福山雅治。芸能マスコミが福山に関するニュースを必死に探っても、スキャンダルはおろか、埃ひとつ出なかっただけに、結婚の衝撃はより大きかった。


追われる立場だったそんな福山が、逆に追う立場、パパラッチになる。撮られる側から撮る側へ、逆転の立場――。都会の深夜、車でターゲットを尾行する。物陰から対象者を見逃さないように飛ぶ鋭い視線。スクープをものにするためには、手段をいとわない。中年だが色気が漂い、女癖がすこぶる悪い。新人記者とともに、下ネタを連発しながらも、超弩級のスクープを狙っていく。



そんな汚れ役ともいうべきカメラマンの役に、大根仁監督の最新映画『SCOOP!』で、福山が挑んでいる。そのスクープカメラマンぶりが、実にリアルで凄いと早くも評判になっている。



六本木でのロケに“ガチ”の張り込みも



「それは、実際の週刊誌編集部や現役のカメラマンが協力していて、実際の取材で行われる張り込みや、尾行の手法が映画で再現されているからです。だからこそ、マンガっぽい表現にならず、本当の取材現場のようにリアルに仕上がっています。伝説のカメラマン、不肖・宮嶋こと宮嶋茂樹さんも出演していて、それがきっかけで福山と親交を深めたそうです。このことも大きかったかもしれません」(現役の週刊誌カメラマン)



実際に、ある日の未明、東京・六本木でロケが行われた際、その周辺には、写真週刊誌をはじめとするカメラマンが何人か、実際の張り込みを行っていたという。こうした取材手法から取材現場まで、何から何までリアリティーに富んでいるのだが、一つだけ「それはねぇだろ」という部分があると、前出のカメラマンは苦笑する。



「福山とコンビを組む新人記者役が二階堂ふみで、福山の元カノの副編集長役が吉田羊。そんな色気漂う編集部があって、福山みたいなカメラマンガいるなんて、あり得ません(笑)。本当の編集部や取材現場なんて、体力が勝負の、もっと汚れた仕事場ですよ」



ミュージシャンとしても俳優としても人気を誇る福山だが、一方で、写真家としての顔も持っている。CDジャケットの撮影をこなし、旅先で撮った写真を中心に個展を開き、北京五輪ではテレビ朝日のオフィシャルカメラマンを務めた。写真集も出ている。



プライベートは“徹底的に撮らせない”福山雅治



その腕前は、玄人はだし。だが、今回の映画はスクープ写真を狙う、いわばパパラッチ役。福山が実際に撮ってきた写真とは、まったく異なる分野だ。とはいえ、役に本当にはまっていて、なり切っている。それは福山が、これまで撮られる側の立場にあり、それを反面教師として深く理解していたことも大きいだろう。



「実は、福山は芸能カメラマンにとって、最も撮りにくい被写体なんです。仕事が終わった福山の車を追うとすぐにバレてしまい、巻かれてしまいます。自宅近くで帰りを待っていても、動物的な勘を働かせて写真を撮らせない。スキを見せることが一切なく、なかなか撮ることができない、それが福山なんです」(前出のカメラマン)



そんな福山だからこそ、リアルな演技が可能だったのだ。新しい境地を切り開いたこの映画、エンタメとして非常に楽しめる作品に仕上がると同時に、マスコミの裏側も見ることができ興味深い。公開は10月1日から。



(文:高城龍二)



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