『インフェルノ』ってどんな映画?



宗教象徴学の権威であるロバート・ラングドン教授が、詩人ダンテの神曲「地獄篇(インフェルノ)」に刻まれた暗号を読み解き、人類の未来を悲観し、殺人ウイルスを完成させた化学者による人口半減計画を食い止めようと奮闘する。タイムリミットは48時間。偶然出会った女医のシエナとともに、フィレンツェ、ヴェネツィア、イスタンブールと謎解きの旅を続けるラングドン教授がたどり着く驚きの真実とは? そして、殺人ウイルスの行方は…。



観るべき理由:1――ジェイソン・ボーンばり?記憶喪失から始まるアクション大作



ダン・ブラウンの人気小説を原作に、世界的なブームを巻き起こした『ダ・ヴィンチ・コード』(2006年公開)、『天使と悪魔』(2009年公開)に続く“ロバート・ラングドン教授”シリーズの映画化第3弾。ラングドンを演じる主演トム・ハンクス×ロン・ハワード監督という同シリーズの黄金タッグが再び実現し、7年ぶりの新作がついに完成した。



本作が特徴的なのは主人公が冒頭、ある事件に巻き込まれ、一時的に記憶喪失に陥っているという点。これまで豊富な知識と鋭い推理力で、謎を解いてきたラングドン教授が「ここはどこ…っていうか何、この状況?」と恐れや戸惑いを見せる姿は、ショッキングであり新鮮だ。さらにジェイソン・ボーンばり…は言い過ぎにしても、アクション要素が強化され、シリーズの新たな可能性を模索する姿勢もうかがえる。上映時間も『ダ・ヴィンチ・コード』の149分、『天使と悪魔』の138分に比べ、本作は121分。かなりテンポアップされた仕上がりだ。



観るべき理由:2――究極の選択、「100年後の人類滅亡」or「滅亡防ぐため、今人口を半減」



本作に登場する宿敵が、生化学者にして大富豪のバートランド・ゾブリスト。彼は急速な人口増加がもたらす、さまざまな問題を懸念し「このままでは100年後に人類は滅亡する」と警告。それを防ぐためには「今こそ、人口を半減させるべき」という過激な主張を繰り広げる。殺人ウイルスを仕掛けた後、秘密を封印するため、映画の冒頭で自殺しちゃうのだから、目的達成への決意もガチ…というかなりやっかいな存在なのだ。



ゾブリストの主張は断固認められるべきではないが、「一理あるかな…」とつい思わせてしまう危うさが、現実社会に見え隠れしているのも事実。最新作の公開を控える『デスノート』にも通じる問題提起には、確かにリアリティがある。



観るべき理由:3――今年はヒロインの当たり年!フェリシティ・ジョーンズに注目



“ラングドン教授”シリーズの数ある魅力のうち、やはりハズせないのがヒロインの存在だ。知性や純粋さ、さらに謎を秘めたミステリアスな雰囲気も重要な要素になっており、これまではフランス人女優のオドレイ・トトゥ、イスラエル出身のアイェレット・ゾラーと“非ハリウッド”なキャストが起用されてきた。



本作では『博士と彼女のセオリー』でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたフェリシティ・ジョーンズが女医シエナを演じ、過去2作とはまた違ったヒロイン像を体現した。2016年は『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のデイジー・リドリー、『ジェイソン・ボーン』のアリシア・ヴィキャンデルと、躍動するヒロインの当たり年。特にフェリシティは『インフェルノ』出演後、今年最後の話題作『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』で堂々の主演を果たしている。



(文・内田涼)


映画『インフェルノ』

2016年10月28日、日米同時公開!





監督:ロン・ハワード(『ダ・ヴィンチ・コード』『ビューティフル・マインド』)

原作:ダン・ブラウン(「ダ・ヴィンチ・コード」「天使と悪魔」)

製作:ブライアン・グレイザー(『ダ・ヴィンチ・コード』「24」シリーズ)、ダン・ブラウン

脚本:デヴィッド・コープ(『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』『ミッション:インポッシブル』『スパイダーマン』)

出演:トム・ハンクス(『ブリッジ・オブ・スパイ』『ダ・ヴィンチ・コード』)、フェリシティ・ジョーンズ(『博士と彼女のセオリー』)

オマール・シー(『最強のふたり』)、イルファン・カーン(『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227 日』)

配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント