森絵都が5年ぶりとなる長編『みかづき』を発表。昭和〜平成の塾業界に生きる親子3代の物語だ。



昭和36年。小学校用務員の大島吾郎は、学校教育に不信を抱く千明に誘われ、学習塾を立ち上げる。そこから彼の波瀾の教育者人生が幕を開けた――。



教育とは何かという大テーマを背景に、吾郎と千明の夫婦問題や塾の経営問題、3人の娘たちの成長や生き方の模索、そして、孫の一郎の教育者としてのスタートなどが描かれる。どんどん移り変わる時代や、次々に巻き起こる騒動に夢中になること必至だ。



本作は、月刊文芸誌「小説すばる」で'14年5月から2年間連載されていたもの。すでに連載で読んだという人も、改めて単行本で読み直すことをオススメする。一気読みすることで、時代の激動や彼らの奮闘ぶりがより体感できるはずだ。



(文:松本理惠子)