稀代のミステリーテラー・湊かなえの小説『少女』がこの秋、映画になる。



「人が死ぬ瞬間を見てみたい」と思った由紀と、いじめで自殺を考えたことのある敦子。二人の女子高生の衝撃的な夏休みが描かれる。一見すると、「夏休みに少女たちが経験した、ちょっとした事件」のようだが、実は緻密な伏線が張り巡らされており、最後の章で明かされるある情報によって、物語の内容がガラリと一変する。最初と最後に出てくる「遺書」の仕掛けには、誰もがうならされることだろう。



著者の小説の特長として、高いドラマ性がある。これまで数多くの湊小説がドラマ化・映画化されてきたが、どれも期待を裏切らない作品ばかりだった。そういう意味で、今回の映画も待ち遠しい。この物語がもつ複雑な伏線や、少女たちの心の動き、深いテーマ性を実写ではどのように描くのか、大いに注目したい。



(文:松本理惠子)