9月27日にデビュー15周年を迎えるEXILE。今回のベストアルバム『EXTREME BEST』には、1つのグループが15年間走り続け、新メンバーの加入や勇退により第一章〜第五章という“歴史”を刻み続けた軌跡と、EXILEの新たなエンターテインメントの可能性を感じさせる新作映像が詰まっている。



デビュー曲「Your eyes only 〜曖昧なぼくの輪郭(カタチ)〜」から始まった彼らの音楽は、当時日本でもメジャーなジャンルとして認知されつつあったR&Bを、“ポップス”としてさらに間口を広げたものだった。「Fly Away」「Together」「Carry On」など、初期のダンスナンバーは特にポップス色が強く、デビュー曲以降「song for you」「運命のヒト」などヴォーカルの真価が問われるバラードも数多くリリース。楽曲だけを聴けばR&B色を感じる“ポップス”かもしれない。しかし、彼らのパフォーマンスはEXILEとしてのキャリアは短くとも“ダンサー、シンガー”としてのキャリアはストリートで実力を磨き上げ、既に評価されていた“本物”だった。だからこそ、聴きやすいポップスで幅広いリスナーからの視線を集め、圧倒的なパフォーマンス力で新鮮な感動を与えることに成功した。それはデビュー2年目で2枚目のアルバムとなる『Styles Of Beyond』でオリコン首位を獲得し、翌年3枚目となるアルバム『EXILE ENTERTAINMENT』で初のミリオンセラーを達成という短いスパンでのヒットからもうかがえる。



もちろん、デビュー直後からすぐ結果が出たわけではない。下積み時代の延長のような苦労をしていたことは、これまで数多くのドキュメンタリー番組や雑誌などで語られてきたとおりである。そして、HIROを筆頭とするオリジナルメンバーたちは、EXILEとしてデビューする前に数々の栄光と挫折を味わってきた苦労人ばかり。だからこそ“自分たちがアンダーグラウンドの現場で築き上げてきたものをいかに多くの人たちに届けるか?”を追求し、R&Bやダンスミュージックを聴きやすい形にしつつも、彼らの魂は“本当にカッコいいエンターテインメントを届ける”ことに変わりなかった。ただ売れることだけに注力していたとしたら、短期的なブレイクはできたかもしれないが歴史は作れなかったように思う。所属事務所の名前に表れているように“Love, Dream, Happiness”を最優先事項に掲げたからこそ、その真っ直ぐな想いと決意はEXILEが社会現象になるほど、多くの人々の心を動かしたのだ。



2006年にAKIRAが加入し、“EXILE VOCAL BATTLE AUDITION”で優勝したTAKAHIROも新ヴォーカルとして加わってからのEXILE第二章は、まさに彼らが社会現象となり国民的グループとして認知されるようになった幕開けの時代だった。ブレイクしていくにつれEXILEのベースにあるR&B的要素が求められるようになり、「Lovers Again」の大ヒットや「Ti Amo」での日本レコード大賞初受賞などでR&Bはもとより日本にダンスミュージックを根付かせることへも貢献したといえる。



2009年に当時J Soul Brothersのメンバーだった橘ケンチ、黒木啓司、TETSUYA、NESMITH、SHOKICHI、NAOTO、小林直己が加入し幕を開けた第三章では、「Someday」(2009)、「I Wish For You」(2010)、「EXILE PRIDE 〜こんな世界を愛するため〜」(2013)の3曲が各年度の日本レコード大賞を受賞。トップグループとしての地位を確立し、彼らの活動はよりストイックになっていく。映画のような大規模で迫力ある映像のMVや、“ライヴ”という言葉に収まりきらないセットや映像、ダンサーを集め、まるで物語のような構成のスタジアムツアーなど。メンバーの増員で、1人1人“個の力”を磨くことがEXILEをさらに輝かせるというグループならではの錬金術を私たちに見せつけた。そしてHIROがパフォーマーを勇退という大きな節目を迎え、2014年から第四章がスタート。新たに岩田剛典、白濱亜嵐、関口メンディー、世界、佐藤大樹が加入後のアルバム『19-Road to AMAZING WORLD』を引っさげた5大ドームツアーでは、松本利夫、USA、MAKIDAIがパフォーマーを卒業し、EXILEは日々新しい形へと進化し続けている。さらに先日、ATSUSHIが2017年いっぱいまで海外を拠点に活動することを発表した。オフィシャルHPの彼の言葉からは常に成長と努力を続けるための覚悟が滲み出ている。続けて各メンバー1人1人からのATSUSHIへの想いが綴られたコメントには、“グループを強くするための個人の進化”を誇りに思うATSUSHIへの愛があふれている。



15年という歴史を経てEXILEがまたさらに進化する瞬間に立ち会えることを期待するとともに、本作に収録された楽曲を聴きながら、当時の自分の思い出も振り返ってみてほしい。EXILEがこれだけの歴史を刻んでいるように、たとえささやかでも必ずあなただけの歴史を刻んできたことを誇りに感じるはずだから。ベストアルバムとはアーティストの歴史でもあるが、リスナーである自分の歴史も重ねることができるエンターテインメントの形のひとつなのだ。



最後に、冒頭に述べた新作映像とは、ダンスの歴史を変えると言っても過言ではない超大作であることを声高にアピールしたい。『UNITED DANCE NATION in FUNK JUNGLE』と名付けられた本作は、世界のトップダンサー22名、国内トップダンサー12名に加え、EXILE、三代目 J Soul Brothers、GENERATIONS、THE RAMPAGEの全パフォーマー31名の計65名が参加。あらゆるダンスジャンルや国籍の壁を超え、オーディエンスと一体になりソロやコラボで次々とパフォーマンスしていく様子は、ダンスファンなら興奮しきりだろうし、ファンならずとも最後まで見入ってしまうこと間違いなし。「EXILEのルーツであるダンスに恩返しをしたい」というHIROの想いがトップダンサーたちを集結させ、夢のような奇跡のコラボだらけのダンスビデオが完成した。何よりパフォーマーたちが楽しそうに踊っている姿を見ることで幸せな気持ちになれる。EXILEエンターテインメントの真髄がここにある。



Va10月号は、9月25日より全国のTSUTAYA RECORDSで無料配布される。VA netでも公開。(文:上野真由香)(TSUTAYA「VA」9月25日号掲載)



EXILE リリース情報




EXILE EXTREME BEST








EXILE EXTREME BEST



2016年9月27日発売

2016年10月15日レンタル開始



3CD+4DVD+84Pフォトブック:RZCD-86179〜81/B〜E 6,980円(税抜)

3CD+4BD+84Pフォトブック:RZCD-86182〜4/B〜E 7,980円(税抜)

3CD:RZCD-86185〜7 3,500円(税抜)









◆EXILE オフィシャルサイト



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