DIR EN GREYが過去の各アルバム作をテーマに掲げて行う全国ツアー、その最新章である『TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO ________ [mode of DUM SPIRO SPERO]』の東京公演・2日目(9月21日@中野サンプラザ)を観た。もちろん今ツアーは、アルバム『DUM SPIRO SPERO』(2011年)を軸とする内容になる。


ちなみに今年7月の取材時には、「リリース当時のツアーは、頑張って『DUM SPIRO SPERO』を再現しようという感じだった。ただ正直なところ、やりきれていない部分があったのも事実」と話していたToshiya。しかし、今はもっとフラットに向き合えることに加えて、絶対的に表現力もスキルも上がっているからこそ、「(一連のツアーの中で)俺はいちばん楽しみにしています」と言い、薫は「純粋に『DUM〜』をやるっていう、わりと割りきってやれる感じだと思う」とも語ってくれた。



京(Vo)

京(Vo)




結論から言うと、『DUM SPIRO SPERO』が醸す凄みも改めて体感できたと同時に、細部まで構築された各楽曲の色合いや強度をより深く知ることのできる、現在の彼らならではのライヴだったと思う。



この記事がアップされる頃は、まだ名古屋と大阪でのライヴが残っているので内容の詳細な記述は控えるが、各ブロックごとに実に様々なドラマが生み出されていた。



例えば、変則的なリズムとギターリフが絡み合い、その中を浮遊するかのようにして歌声が情景を描く「滴る朦朧」と、近年の曲である「Phenomenon」が並列されたゾーンは、ライヴにおいて一種異様とも言えるトリップ感を作り上げる。



薫(G)

薫(G)




また、そうした異世界に引きずり込まれる感覚が「DIABOLOS」でピークを迎えることは、もはやファンには説明不要だろう。10分に及ぶこの大作で見せる暗黒の構築美は、単にドラマティックという形容では生ぬるい代物だ。独創的な演出を伴いながら、ブルータルに展開して凄まじいクライマックスを迎えた瞬間、激しく感情が揺さぶられること必至である。



Die(G)

Die(G)




そして、『DUM SPIRO SPERO』は刺々しい邪悪性が際立つ一方で、随所に叙情性も息づいているが、なかでも後者を全面に打ち出した「VANITAS」での胸を締めつける哀しみは筆舌に尽くし難い。



泣きのリードからハーモニーへと着地するソロも聴かせるツインギター、繊細なバッキングの間を縫うように印象的なフレーズを奏でるベース、展開に沿ってダイナミズムを効かせるドラミング。そして全編を貫く、激情がほとばしる歌には涙が出そうになる。

まさに5人の呼吸が伝わってくる「VANITAS」におけるパフォーマンスは、この日のハイライトのひとつだった。緻密に絡み合う音像が、ホールという空間ともマッチしていたと言えるだろう。



Toshiya(B)

Toshiya(B)




また一連のツアーでは、新曲をライヴ先行で披露している。『〜[mode of VULGAR]』のアンコールでプレイされた「詩踏み」は、リリースを経て、この日はかなり序盤で登場した。眩い光のなか、一瞬で場内の熱を引き上げる豪腕ぶりを発揮。

その破壊力はあまりに凄まじく、思わず身を乗り出して食い入るように凝視してしまった。絶唱はライヴでさらに壮絶なものになり、衝動的な演奏、ギターチームによる掛け声コーラスも観る者を熱くさせる。



Shinya(Dr)

Shinya(Dr)




そして、タイトル未定の新曲がまた凄い。京にしか成し得ない獰猛かつ変幻自在のヴォーカリゼイションが目まぐるしく襲いかかり、ファストなビートとゴリゴリのリフで波状攻撃を続ける、アグレッションの塊といったナンバーだった。しかし、どこかキャッチーに響く印象もある。今後どういった形で世に出てくるのか分からないが、現在の彼らのモードがこの曲に表れているのなら大歓迎だ。



『〜[mode of VULGAR]』の時は、メンバーのアクティヴなステージングや、曲によってはあの頃に引き戻されたような雰囲気も印象的だったが、当然ながら『〜[mode of DUM SPIRO SPERO]』では空気感はグッと変わる。ただし、当時の再現ではなく、あくまでも今のDIR EN GREYが表現する『DUM SPIRO SPERO』であることは、実際に観た人であれば分かるはず。

もちろん近年彼らを知った人にも、残り数公演ではあるが、孤高の世界観を映し出すステージをぜひ目撃してもらいたい。



最後に追記しておくと、残念ながら筆者は東京公演の初日を観られなかったのだが、構成や曲目は2日目と同一ではなかったことを知る。これまで同様に、やはり彼らが2デイズ公演を行う際は、どちらも観ておくに限ると思った次第だ。(文:早川洋介/写真:小松顕一郎)



『TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO ________ [mode of VULGAR]』@新木場STUDIO COAST2daysライブレポート



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TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO ________ [mode of DUM SPIRO SPERO]



9/28(水) 【愛知県】Zepp Nagoya [★]

9/29(木) 【愛知県】Zepp Nagoya [★]

10/2(日) 【大阪府】なんばHatch [★]

10/3(月) 【大阪府】なんばHatch [★]

[OPEN/START] 18:15/19:00

※10/2は17:15/18:00



[席種・チケット料金]

1Fスタンディング/全席指定 ¥6,000(税別)

[★]Exclusive Ticket(指定席・オリジナル特典付き) ¥11,000(税別)

※Exclusive Ticketは★公演のみ、またOFFICIAL FAN CLUB 「a knot」 会員のみご購入いただけます。



[総合問合せ] NEXTROAD 03-5114-7444 (平日14:00〜18:00)



TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO ________ [mode of 鬼葬]



11/10(木) 【埼玉県】大宮ソニックシティ 大ホール [★]

11/13(日) 【北海道】Zepp Sapporo [★]

11/17(木) 【香川県】サンポートホール高松 大ホール [★]

11/20(日) 【福岡県】福岡国際会議場 メインホール [★]

11/22(火) 【愛知県】名古屋市公会堂 [★]

11/23(水・祝) 【滋賀県】滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 大ホール [★]

11/26(土) 【大阪府】なんばHatch [★]

11/27(日) 【大阪府】なんばHatch [★]



[OPEN/START]

11/10,17,22は、18:15/19:00

11/13,20,23,26,27は、17:15/18:00



[席種・チケット料金]

一般指定席/1Fスタンディング ¥6,000(税別)

[★]Exclusive Ticket(指定席・オリジナル特典付き) ¥11,000(税別)

※Exclusive Ticketは、OFFICIAL FAN CLUB 「a knot」 会員のみご購入いただけます。



[総合問合せ]NEXTROAD 03-5114-7444 (平日14:00〜18:00)



“TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO ________ [mode of UROBOROS]”開催決定!



2017年1月に「TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO ________」第4弾となる“TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO ________ [mode of UROBOROS]”の開催が決定。

詳細は後日発表!



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