「ちょい不良(ワル)オヤジ」を世に広めたことで知られる雑誌『LEON』(主婦と生活社)が、創刊15周年を迎えた。これを記念し、『LEON』の顔としてお馴染みのパンツェッタ・ジローラモさんと、編集長・前田陽一郎さんによるトークイベントが代官山 蔦屋書店で2016年9月24日に開催しされた。進行役を務めるのはKen Masuiさん。



なんと、ジローラモさんは15年間、『LEON』すべての表紙を飾っている。これはギネス世界記録にも認定され、現在も更新中であるという。そんな逸話も交えながら、『LEON』の軌跡を振り返っていく。



  

左から、『LEON』編集長・前田陽一郎さん、パンツェッタ・ジローラモさん、Ken Masuiさん   




ハイドロゲンのバッグに『LEON』?! 15周年記念特装版



各々シャンパンやアイスティーを手に、15周年を祝うジローラモさんの乾杯の挨拶でイベントはスタート。





  




  





Ken Masuiさん(以下、Ken):創刊15周年を記念し、こんなにカッコいい『LEON』特装版が出版されました。こちらを作るきっかけから教えていただけますか?



前田陽一郎さん(以下、前田):特装版ということ自体が初の試み。付録付きの雑誌は多く出ていますが、それなら、“バッグを買ったら『LEON』が付いてきた”くらいの方が面白いんじゃないか……そんなことからスタートした企画でした。今回、イタリアの「ハイドロゲン」というブランドの全面的な協力を得て、作ることができました。



Ken:ハイブランドがひとつの雑誌とコラボするというのは、なかなか難しいですよね。



前田:デザイナーさんが、それこそジローラモさんと個人的に仲が良かったりして、そのご厚意で。僕らのシャレみたいな企画に、よく付き合ってくださったなと。しかも、東京だと代官山 蔦屋書店のみでの販売なんです。ハイドロゲンさんのお店でも置いていない。本当に、このためだけに作ってくださった。



ちなみに、ジローさんは『LEON』の表紙を飾り続けているということでギネスブックに登録されているんですが、この特装版でもカモフラージュの中にちょろっと隠れています。





  




  





パンツェッタ・ジローラモ​さん(以下、ジローラモ):良かったー、安心した!



一体なぜ? どんどんカッコ良くなるジローラモさん



創刊準備期間を含めると、実に16年間『LEON』と関わってきたジローラモさん。この15年間で一番カッコよくなったのは、ジローラモさん自身だということが話題に。



前田:僕は、ジローさんとは10年以上にわたってそばにいるんですけど。ほんと、どんどんカッコ良くなっていくんです。



Ken:僕も、初めてジローさんにお会いしたのは、(16年前の)シドニーオリンピックの時。日本代表のジャージを着た姿で、正直言うと、日本好きの外国人だと思っていました(笑)。



ジローラモ:あれは番組だったから無理やりで、一番カッコ悪かったとき(笑)。でも、『LEON』でいろんな現場に行ったり、新しい物を見たりすればするほど、知らないうちに目が肥えちゃう。だから、みんなのお陰です。良くなっていると前田さんから言われるのは嬉しい、後でチューするけど!



  



鮮烈な登場から15年。日本人の意識を変えてきた雑誌『LEON』



「モテる」をテーマに、大人の男性へ向けて情報を届けてきた『LEON』。歳を重ねることをプラスに捉える、という価値観を発信し、日本人の意識そのものを大きく変えてきた。これまでの表紙を見ながら、制作秘話を織り交ぜてその軌跡を振り返った。



創刊2周年で誕生した「ちょい不良(ワル)オヤジ」



  

2003年11月号   






前田:創刊2周年号が、初めての「ちょい不良(ワル)オヤジの作り方」号になります。ここから、急速にみなさまに認知されるようになりました。



儒教の「四十にして惑わず」という言葉がありますが、40歳っていうのは、人生を達観した大人でなくてはならない。さらに明治以降になると、ヨーロッパの価値観も取り入れて、日本の男性像に「ジェントルマン(紳士)」が付いてくるんですよね。



家族を守り、仕事もできる、それが男の正しい在り方。けれどどこかで、ただのパパになっちゃう。ただのお父さん、ただの上司、ただのおっさん…“ただ”“ただ”を繰り返していったら、ただのどうでも良い人になっていたよね。そうじゃなくて、もう一回男であることを取り戻そうよっていうのが、この「ちょいワル」の真髄。ただのいい男で終わりたくないっていう価値観ですね。



コミュニケーションが肝! 楽しみながらの表紙づくり



  

2013年9月号   






前田:この辺り(2013年9月号)になるとジローさんも慣れていて、演技してくれています。「髪切ってもらうってことだってコミュニケーション。それを楽しんでいるふたりを演じて」。それだけを言って、ジローさんに女の子の表情をディレクションしてもらって。表情やポーズを全部つくってもらいました。



ジローラモ:女の子と撮影する時は、コミュニケーションをとればとるほど、その人の表情が柔らかくなるんです。だから、私はずっとしゃべらないといけないんです。知らない人からみると、あいつ、ナンパしてるって思われる。



Ken:どんなことを話すんですか?



ジローラモ:最初の質問は、どのくらい日本にいるかとか、普通のこと。そこから続けて、友達になる場合もあります。



前田:そのままデートに行っちゃったこともあったよね。



ジローラモ:……こともあったけど(笑)。



Ken:そうあって欲しいですよね。



前田:水着のお姉ちゃんに髪切ってもらうなんて素敵だよね!っていう妄想話から、なぜか女性は水着を着ているという…もうアホな表紙なんですが。



この15周年という号も、思いっきりバカなことやろうっていうことで。“15”を飛び越えているジローさん、というコンセプトで作りました。





  





ジローラモ:結構大変だったんです。何回も飛んで、飛んで。無理だなーって思って、飛んでいるふりの写真も撮って。でも、これは実際に飛んでますね。







創刊号にはまだ「おやじ」という単語は出てこない。手探りで作っていた頃。


一般には公開されていないサンプルイシューの表紙。黒いソックスに革靴、白パンツというのは、この時一回だけ。


モテるオヤジは、カラダが「チョイムチ」。この辺りから、自分達を肯定しよう、歳をとることは悪いことじゃないんだ、というメッセージを打ち出し始める。


世界的にブームとなる「スナップ特集」を先んじて取り上げ、イタリアのベーシックなファッションを紹介。今の『LEON』の起点とも言える号。


「若者の車離れ」という世の中の流れに意見する気持ちで作られたこの号は、完売するほどの売れ行きに。顔が見えなくてもジローラモさんだと分かる、LEONの表紙の面白さが活かされた写真。








これからも、自分の可能性を忘れない『LEON』であり続ける



Ken:最後に、15年を振り返るメッセージをおふたりからお願いします。



前田:15年で終わりではなく、20周年を目指して、この変化の激しい時代に対応していかないといけない。ただ、絶対に変わらないのは、女性であれば、「いつまでも女性でいたい」っていう気持ち。それは男性も同じで、「いつまでも男でいたい」っていう根本的な欲求があると思うんです。そこに乗っている限り、『LEON』は変わらないと思っています。



自分の可能性をいつまでも忘れないで、みなさんと一緒に楽しんでいきたいなと思います。



ジローラモ:これからも、もっともっと付き合ってください。たぶんそのうち死ぬと思うんですけど(笑)。よろしくお願いします。


ふたりの日常の会話を聞いているような、リラックスムードの中でイベントは終了。



世の中の流れをとらえたコンテンツと、ジローラモさんのイタリア仕込みな自由闊達さの融合。それが、常に第一線にあり続ける秘訣かもしれない。16年目に突入するこれからの『LEON』も、変わらぬスタンスで、新しいライフスタイルを提案し続けてほしい。



(文:岩間淳美)



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