高校生にとって受験は人生の一大事――。夢に向けて奮闘するものの、これまで毎日一緒にいた彼氏や同級生と離れ離れになる、そんな不安も抱えている。どうすることが一番幸せなのか、それぞれ夢にとって一番の選択は何か、みんな葛藤している。



そんな甘酸っぱい青春に共感して胸キュンしてしまうのが、9月28日に発売された大人気少女漫画『君に届け』(集英社)の最新27巻だ。


『君に届け』は通称「きみとど」(君届)として中高生だけでなく、20代や30代の女性に大人気の椎名軽穂原作の少女漫画だ。テレビアニメや、三浦春馬&多部未華子主演による実写映画化をされるほどの人気作品で、現在も『別冊マーガレット』(集英社)で連載されている。



さらに、8月29〜9月1日に総合電子書籍ストア「BookLive!」で、男性ユーザー向けに実施したアンケートで、男性が「同性におススメしたい少女漫画」の1位に輝いている。



風早の進路はどうなる



これまでのストーリーを簡単に振り返ってみよう。



陰気で見た目が暗い黒沼爽子(あだ名は貞子)が、自身とは対照的な爽やかで明るい同級生・風早(翔太)くんと出会ったことをきっかけに、友情や恋愛、進路を通して成長していく。爽子の親友となった「あやね」と「千鶴」、千鶴の幼馴染で野球少年の真田くんを巻き込んだ物語が進む。現在、爽子と風早くんは交際し、幼馴染の千鶴と真田も交際中だ。



現在、高校3年の夏――。それぞれが進路を真剣に考え出したところで、今回大きく描かれているのが、主人公・爽子の彼氏の風早くんの進路。「地元の大学に行き、両親が経営しているスポーツ用品店を継ぐ」と、頑固な父に伝えるとダメ出しされ、似た者同士ゆえに、本音で語ることが難しい2人だった。だが、母の入院を経て、病院にいる母から頑固ものの父が何を考えているのか、愚息と思われていた風早がどんな思いで「店を継ぐ」と決意したのか、母を通じてお互いの本音を知る――。



さらに、地元を離れて進学しようと決心した爽子は、それを伝えるべく彼氏である風早と遊園地デートをする。手を繋いだり、目を見て笑いあったり、ジェットコースターではしゃいでみたり。共感したり、高校生に戻りたくなるような、ピュアなラブが満載の1冊なのだ。漫画好きの女性ライターが、こう魅力を語る。



「この27巻は、甘くって酸っぱい青春時代に戻れます。突拍子もない設定ではなく、どこにでもありそうな進路の悩みと恋愛。だからこそ、リアリティーがある中で、詳細に恋愛模様が描かれていて、ついついハマってしまう。今の自分や昔の自分に重ねて合わせて、キュンキュンしたり苦しくなったり共感できるのです」



おすすめシーンは「やぶさかじゃない!!」



おススメのシーンはこの一幕――。

遊園地デートの最後に観覧車に乗った爽子と風早。向かい側に座る風早に対して、爽子が「隣が良かったな……」と呟き、動こうする風早だが。



風早「隣にいくと俺、イチャイチャしちゃいそうだし」

爽子「やぶさかじゃない!!」



と古風な言い回しで場が和みつつ、どこを受験したいのか風早に伝える。心温まる一幕なのだ。



いよいよ受験シーズン真っ盛りとなり、進路に悩む“きみとど”のストーリー。大学進学や就職に、また、恋にも葛藤する切ないシーンが満載の淡い

冊。涙とドキドキなしでは読めない。



次巻は、あやねと教師・ピンとのラブストーリーが動き出す予感。胸キュンする淡い気持ちを思い出してはいかがだろう!?



(文:高城龍二)