ついに、いよいよ、とうとう、待望の。いくつもの形容詞をつけて迎えたい、フレデリックの1stフルアルバム『フレデリズム』が完成した。



2014年9月のメジャーデビューからの2年間には、様々な出来事があった。「オドループ」「オンリーワンダー」など、“踊る女子”をフィーチャーしたキュートなミュージック・ビデオがYouTubeで連続ヒット。2015年のメンバー脱退という大事件を乗り越え、2016年7月の東京・Zepp DiverCityでのライブはソールドアウト。その勢いは加速中だ。



一度聴いたら忘れない、脳内ループを繰り返すキャッチーなメロディとビート。80年代のエレクトロ・ポップや歌謡曲の要素を取り込み、2010年代の新しいポップ・ミュージックに仕上げる鮮やかな手腕。言葉遊びの裏に隠された深いメッセージ。1stフルにしていきなり傑作、『フレデリズム』の登場だ。(インタビュー&文:宮本英夫)


―ミニアルバム3枚を経ての、1stフルアルバム。本人たちも“ようやく”という気持ちがあるんじゃないですか。



三原健司(Vo&G):このアルバムを全部聴いてみた時に、14曲目の「オワラセナイト」でやっぱりぐっとくるんですよね。プレイヤーとして、自分ひとりの気持ちとして、その時の感情が全部蘇ってきて、メンバーのことを考えたりとか、そういうことがあったので。この3枚があったからこそ自分も変わったし、自分が前に進んでるなと思うんですよ。あらためて『oddloop』『OWARASE NIGHT』『OTOTUNE』を順番に聴くと、自分の歌の感じも変わってるし、その時の感情や思い出もしっかりと情景が出てくるので。それはアルバムを作り切ってすごく思うし、このあとツアーをやれば、より思うんだろうなと思います。



三原康司(B,Cho):教えてくれるのはお客さんですからね。本当に。それはすごく思います。選んでくれたんやなって。



赤頭隆児(G):1枚目より2枚目と、出すにつれて成長しとるんやなと。インディーズの時はやりたいようにやっていて、それを認めてもらってメジャーになって。でもメジャーになったからって、こうしなさいと言われるわけではなかったんで。僕の思うメジャーって、そういうイメージだったんですけど。





―こういう曲を書けとか?



隆児:全然そんなことなく、てむしろ“自分で考えて”と言われることが多くて。その積み重ねが1枚ずつ全部あって、“これをやりたいならこの音じゃダメじゃない?”って言われて、確かにと思って、じゃあこうしようと考えてみたりとか。そういう3枚を積み重ねて、フルアルバムに入れる曲を録った時に、今までの3枚のぶん、アレンジのことも自分で考えられるようになったので。ミニアルバムとシングルで成長したぶんの自分が入ってるなと思います。



―歌詞も、その時々のリアルがすごく入ってるんですよね。2年前の「オドループ」が、実はダンス規制の風営法反対ソングだったということに、あらためて気づいたり。



康司:そうですね。



隆児:パンク精神ですよ。



康司:その当時のことと、自分たちの気持ちを重ね合わせてますね。



―「オワラセナイト」も、メンバー脱退直前の、あの時のバンドの状況を正しく反映しているし。そして一番新しい「オンリーワンダー」では、“扉を開くのは君だ”と力強く歌ってる。そういう流れがすごく面白かった。



康司:昔は、曲と曲は違うもので、つながっていないという印象があったんですよ。自分たちの楽曲じゃなくて、音楽を聴く目線としてそういう気持ちが強かったんですけど、自分がいざバンドをやってみた時に、全部つながってるんだなということをすごく思います。思ってなくても、自然とそういう歌詞を書いていたり、その思いが強ければ強いほどそこに寄っちゃったり、デモを作っても、その時期の思いや聴いてた音楽が一緒になっているものがけっこうあったりして。そのドラマが、つながってる感じが気持ちよく感じられるんですね。このアルバムもそうで、アルバムの最初の「オンリーワンダー」「リリリピート」「レプリカパプリカ」は、絶対この曲順にしたかったんですよ。



―というと?



康司:誰もがオンリーワンだという「オンリーワンダー」という曲があって、「リリリピート」は同じことを繰り返してどんどん大きくなっていって、「レプリカパプリカ」は、同じものに見えても中身は全然違うということを歌ってる。たとえば会社帰りのサラリーマンは、満員電車の中ではみんな同じ見えるかもしれないけど、もしかしたら全然違う場所でトランペットを吹いてたりとか、輝いている時間があるかもしれないじゃないですか。全員同じように見えてても、まったく違う面白いものを持ってるんだよという、そこに対しての希望をすごく歌いたくて。



―はい。なるほど。



康司:その3曲の流れは、今の気持ちとしてこのアルバムに絶対入れたかったんです。





―特に思い入れある曲や、新しいことができたと思う曲は?



健司:全曲違うアプローチで歌ってるんですけど、特に「ナイトステップ」は自分の一番好きな歌い方で歌えたんですよ。自分が気持ちいいと思う歌い方って、もしかしたら人とずれてる時があって、そのずれをぴったり合わせるようにしていた自分を取っ払った。本当に自分がその時気持ちいいと思ったテイクを選んでるんですよ。



康司:スーツを脱ぎ捨てた(笑)。



健司:けっこうメロディを崩してるんですよ。今までは、メロディに忠実に歌うことを心がけていたんですけど、ここはブレスのほうがいいからメロディをなくしてもいい?という話をしたりとか。それこそ“スーツを脱ぎ捨てるんだ紳士”という歌詞にも助けてもらったところもあるし。康司の歌詞って、自分にも当てはまることがあるんじゃないか?と思うことがけっこうあるんですよ。もしかして、自分の中で閉じ込めていた部分があったんじゃないか?とか、そう思ってやってみたところもあります。自分にとって、だいぶ大事な曲になりましたね。



隆児:「POOLSIDE DOG」は、今まで僕が聴いてこなかったジャンルの音楽で。アレンジを考えるのは大変やったんですけど、聴いてこなかった音楽とか新しいことは、これからもやっていきたいです。「POOLSIDE DOG」のドラムは打ち込みなんですよ、サビ以外は。それも初めてやってみたし。



康司:めっちゃいいよな。サビでドラムが入って来る。



隆児:それでまた消える(笑)。



康司:ゆらゆらぶっ飛びそうな感じが最高です。



―この曲の、ちょっとチープなリズムボックスの音色とか。フレデリックの特徴である80’s感がよく出てるなあと。



康司:スタジオでの作業中も、こういうチープな80's感と、僕らが持ってるバンド感が混ざった時の化学反応を楽しんでる感じもあって。「オワラセナイト」のシンセはデュラン・デュランのイメージで、「リリリピート」のドラムの音はカルチャー・クラブ(笑)。その中でもリズムの重ね方があって、疾走感が出る感じがすごく気持ちよく感じてます。



―80's感って、メンバーにはリアルタイムじゃないですよね。なんで惹かれるんですかね。



康司:そんなに詳しくはないんですよ。その時代に生きてないし、90年生まれなんで。その当時の音楽性はよく知らなかったんですけど、80's感って、タイム感が短いものが多いじゃないですか。そこに対するチープさとか、そんなにゴリッとしたサウンドじゃなくても踊れるんだよということとか、そういうのがすごく好きです。



―ああ。なるほど。



康司:ずっと気持ちよくなれる状態があるんですよね、80's感って。サビがどうのというより、徐々に上がっていくような、あの感覚がすごく好きです。ずっとハイになれるみたいな感じ。



―確かに。たとえば今のEDMの強制力というか、ビートを叩きつけて強引に踊らせるような感じとはだいぶ違う。



康司:来ます、来ます、バーン!っていう、その部分をメロディでやってる感じなんですよね、80'sは。それは日本らしさだとも思っていて、日本の曲ってやっぱりAメロ、Bメロ、サビがあって、あれが僕はすごく好きなんですよ。サウンド感としてはずっと気持ちいい状態を保っていて、ちゃんとA、B、サビがあるというのがフレデリックという感じはしてますね。今は。



―良い意味でレトロな感じ。なつかし新しい感じがあるんですよね。



隆児:フェスとかにも、40〜50代の人がライブに来てくれることがあって。



―わかります。80'sを知る人には絶対好かれると思う(笑)。



康司:今のシーンにいると、今の時代のイメージがあると思うんですけど、僕らの音楽って絶対そうじゃないと思ってるんですよ。そこも大切にしつつ、いろんな場所を大切にできてるバンドだと思ってるんで。もしかしたら聴かず嫌いの人もいるかもしれないですけど、こっちのシーンはちょっと…みたいなくくりの中のバンドではないと思ってるんで、たどり着いてほしいなという気持ちがすごくあります。こういう話をきっかけに、えっ、実はこういうバンド好きなの?とか、思ったりしてくれれば。そこでつながってほしいなっていつも思います。



健司:それを楽しみとして、楽しんでもらうきっかけになればいいなと。探ることを楽しんでほしいですね。そのきっかけとして、フレデリックがいたらいいなと思います。



康司:CD屋さんに行って、たまたまたみつけたCDが良かったみたいな感じで、たどり着いてもらえたら。俺、いまだにジャケ買いするんですよ。全然かっこよくなかったりする時もありますけど(笑)。ジャケットだけ部屋に飾ったりもします。音楽はいろんな楽しみ方があると思うので。



―11月からは、これまでで最大規模のツアーが始まります。楽しみですか。



隆児:岡山と金沢はワンマンは初めてで、しかも3回ぐらいしか行ったことがないのに、ソールドアウトしたんですよ。それがめっちゃうれしくて。ぶっちゃけ、ちょっと不安やったんですけど、行ったことない場所にも知ってくれてる人がおるんやなと。そんな人がCDを買ってくれて、ちょっと遠くても来てくれるんだと思うと、気合が入りますね。ライブでさらに好きになってもらえると思うんで、いい演奏をしたいと思います。楽しみにしてます。





フレデリック リリース情報








初回限定盤






通常盤







フレデリズム



10月19日発売



初回限定盤(写真上) AZZS- 52/3,000円(税抜)

通常盤(写真下) AZCS- 1060/ 2,500円(税抜)




01. オンリーワンダー 02. リリリピート 03. レプリカパプリカ 04. KITAKU BEATS 05. サービスナーバス 06. スピカの住み処 07. バジルの宴 08. ナイトステップ 09. POOLSIDE DOG 10. オドループ 11. CYNICALTURE 12. ふしだらフラミンゴ 13. 音楽という名前の服 14. オワラセナイト 15. ハローグッバイ

【初回盤DVD】 「フレデリズムツアー2016〜オンリーワンダーランド〜 at Zepp DiverCity 2016.07.02」 01. DNAです 02. ひっくりかえす 03. FUTURE ICE CREAM 04. トライアングルサマー 05. WARP 06. FOR YOU UFO 07. ディスコプール 08. オドループ 09. オンリーワンダー






フレデリズムツアー2016



11/12(土) 仙台 CLUB JUNK BOX

11/19(土) 高松 MONSTER

11/20(日) 岡山 IMAGE

12/03(土) 新潟 GOLDEN PIGS RED STAGE

12/04(日) 金沢 vanvan V4

12/11(日) 札幌 Sound Lab mole

12/17(土) 福岡 BEAT STATION

12/18(日) 広島 SECOND CRUTCH

01/08(日) 大阪 なんばHatch

01/09(月) 名古屋 DIAMOND HALL

01/22(日) 新木場 STUDIO COAST

※全公演ソールドアウト



フレデリズムツアー2016-2017・リリリピート公演



2017年01月31日(火) 大阪・心斎橋Music Club JANUS (18:30open /19:00start)

2017年02月01日(水) 愛知・名古屋APLLO BASE (18:30open / 19:00start)

2017年02月07日(火) 東京・渋谷WWW X (18:00open / 19:00start)



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