出雲市では、炭を使って水田の土壌を改良する実験が始まりました。
植物由来の炭を使うことで、二酸化炭素が地中に蓄えられ、排出量削減の効果もあわせて期待できるということです。

村上遥アナウンサー:
「こちらの田んぼで始まるのは土の質を向上させる実験です。」

実験に取り組むのは出雲市斐川町の、農事組合法人です。
実験に使うのは「バイオ炭」と呼ばれる植物を材料にした炭です。
土壌に水が浸透しやすくなり、保水性も高まるほか、微生物の定着を助け、養分を増やす効果があるといいます。

農家の間では、土壌改良のため、以前から、田畑に炭を撒いていましたが、今回の実験では、水を張る前の田んぼ、約1300平方メートルに、竹を材料に作られた「バイオ炭」約1・7トンを散布、約5か月かけて、米の収量や土壌の状態などを調べ、その効果を確認します。
さらに。

農事組合法人おきす 福島昇さん:
「地球温暖化の一助になればと思う」

バイオ炭は、光合成の働きで大気中の二酸化炭素をため込んだ植物が材料です。
水田に散布されることで、二酸化炭素を地中に蓄え、排出量の削減に効果があるとといいます。
実験で使うのは、安来市内の手入れがされていない里山で伐採された、竹から作ったバイオ炭で、廃棄される竹や樹木を有効活用し、中山間地域で課題となっている、里山の荒廃対策にもつなげます。

農事組合法人おきす 福島昇さん:
「色々な野菜(を育てる畑)にバイオ炭を投入して、その土地で採れた野菜というものが地球温暖化を防止するために一役かっている野菜としてアピールし、付加価値を高めたい」

農場では、農家で受け継がれてきた知恵「炭の活用」を通じて、地球温暖化対策にも貢献したいとしています。