クラブ史上最高成績を残すべく、復帰1年目のJ1を戦っている大宮アルディージャ。その中でも存在感を見せはじめているのが、加入1年目のMF江坂任だ。

自身初のJ1リーグ挑戦でありながら、ここまで7得点を記録(9/17時点)している江坂は、明治安田生命J1リーグ・2ndステージ第12節の首位を走る川崎フロンターレとの一戦で、値千金の決勝点をマークした。

◆プロ1年目で見せた得点力
昨シーズン、流通経済大学からザスパクサツ群馬に加入した江坂は、明治安田生命J2リーグで42試合に出場し13得点を記録。その活躍にJ1の複数クラブが目をつける中、大宮が獲得に成功した。

◆苦しみも多かった初めてのJ1
プレシーズンでの負傷の影響で開幕から2試合を欠場したものの、1stステージ第3節でJ1デビュー。その後はコンスタントに出場機会をふやし、2ndステージ第3節以外の全試合に出場した。チーム内でもDF河本裕之(28試合)、MF横谷繁(27試合)に次ぐ26試合に出場している。

ヤマザキナビスコカップ(現YBCルヴァンカップ)では、加入後初得点を記録していたが、J1初ゴールは1stステージ第13節のサガン鳥栖戦。途中出場した江坂は74分にFWドラガン・ムルジャからのクロスをヘッド。これが決まり、チームを0-1の勝利に導いていた。

J1初ゴールまで時間を要した江坂は、1stステージは2ゴールと思うような結果を残せていなかった。ポジションも2トップの一角や1トップ、右サイド、左サイドと多岐にわたり、自身の特徴をうまく出せずにいた。

◆取り戻した得点感覚
しかし、2ndステージに入っても出場機会をもらい続けるとゴールを量産。第4節の浦和レッズ戦(2-2のドロー)、第5節のアルビレックス新潟戦(1-2で敗戦)と連続ゴールを記録するも、チームを勝利に導くことはできなかった。

MF家長昭博に次ぐチーム2位となるゴールを挙げながら、勝利に繋がったゴールは1点のみ。結果が伴わなかった江坂だが、シーズン終盤に来て主役の座を奪う活躍を見せている。

◆結果につながるゴールを連発
第9節のベガルタ仙台戦は家長が退場するアクシデントもありながら、89分にFW清水慎太郎のアーリークロスをダイレクトで合わせて決勝点を記録。続く第10節のヴァンフォーレ甲府戦は不発に終わるも、第11節のサンフレッチェ広島戦では、8試合ぶりに先発から外れたものの、69分にCKからヘディングで一撃。0-1での勝利に貢献した。

そして迎えた首位の川崎F戦。再び先発に名を連ねた江坂は2-2の同点で迎えた87分、MF泉澤仁のスルーパスに反応。GKチョン・ソンリョンと一対一となり1度はシュートを阻まれるも、こぼれ球に反応。浮き球を角度のない位置からジャンピングボレーで沈めた。
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しかし、このゴールはファウルが直前にあったとしてノーゴールに。逆転ゴールを取り消されるという嫌なムードが漂った中89分にその時は訪れた。カウンターから横谷のパスを受けた江坂が、ボックス内右で切り返してMF大島僚太をかわすと、最後は左足でニアサイドを打ち抜き、正真正銘の決勝点を決めた。

◆見せつけた勝負強さ、身につけた自信
第9節の仙台戦、第11節の広島戦、第12節の川崎F戦と、自身のゴールでチームに白星をもたらすゴールを決めている江坂。川崎F戦後のヒーローインタビューでは「チーム全体としてまとまりがあるのが上手くいっている要因だと思う」とコメントした通り、周囲とのイメージの共有ができ、自身の動きがアジャストし始めた結果が、ゴール、そしてチームの勝利につながっていることだろう。

そして、この3つの決勝ゴールは自信の表れとも言えるだろう。同学年の清水と呼吸を合わせた仙台戦のダイレクトボレー、広島戦で見せた得意のヘディング、そして決め直すことができた川崎F戦の決勝点──。ゴールへと挑み続ける江坂のプレーが、大宮をより高みへと導くだろう。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》