日本サッカー協会(JFA)は29日、10月6日、11日に行われるロシア・ワールドカップ アジア最終予選に臨む日本代表メンバーを発表した。会見に出席したヴァイッド・ハリルホジッチ監督が、質疑応答に応じている。

海外組の移動距離、先発で試合に出ていない状況、試合の日程に関して言い訳ではないというハリルホジッチ監督に対して、言い訳にしか聞こえないとの厳しい声も挙がった。これに対し、ハリルホジッチ監督は「皮肉な冗談だと受け止める」と語り自身の意見を述べた。

また、UAE戦のように今回の2試合で敗れれば辞任する覚悟はあるかとの質問には「みなさんが他の監督を連れてきたいのならば話は別だが、まだまだやるべきことはある」と答えている。

◆ヴァイッド・ハリルホジッチ監督
――ブンデスリーガの1部や2部でも先発として出ている選手がいる中で、起用されていない選手を選出した意図は
「具体的に誰のことを言っているのか。(大迫選手や細貝選手)大迫は、ここ3試合で先発を勝ち取り2点を取った。2得点とも見たか? 大迫はもちろん分析している。数カ月の間出られていなくて、ケルンのグループにすら入っていなかった。さらに出た時は、中盤のポジションで出ていた」

「今ようやくセカンドアタッカーとしての地位を確立している。彼とも昨年話していたが、A代表ではFWとしてプレーしてくれと伝えている。ようやく、16mに近づけるようになった。2得点したが、1年経ってようやく2点だ。ただ、大迫は追跡しているし、続けてほしいと思っている」

「15日前に海外のクラブへリストを送った。リスト送った後に大迫は得点した。今のパフォーマンスを続けてほしいし、クオリティを見ていると思う。続けてもらえれば、この競争に入れる。ただ、今の時点でリストにはまだ入っていない」

「(ガンバ大阪の)長沢にも触れたい。この選手も面白い。浅野、岡崎、武藤とは違うフィジカルがある。ただ、代表に関しては1点、2点取っても呼べるわけではない」

「武藤も岡崎も浅野も点を取っている。大迫は興味深いので、得点を取り続けてくれればフィジカル的に面白い選手だ。セカンドアタッカーとしての選手になる。我々は引きつける役としてFWを置いている」

「もしかしたらそこもできるかもしれない。他の候補の選手も見ている。今回は岡崎、浅野、武藤にチャンスを与える。大迫は続ければ入れるチャンスがある」

「細貝に関しては、選んだ中盤の選手と比較してパフォーマンスが上かどうか。アシスタントコーチがドイツから帰ってきた、我々が追跡している選手たちと話してきてくれた。宮市も見てきた。ブルガリアの加藤(恒平)も見に行った。1試合見たからといってすぐに呼べないのが代表だ」

「永木に関しては、長い間見てきて良い存在感を出している。全てオープンな状態でチョイスしている。大迫はA代表でプレーするために何をしなければいけないかをわかっている。岡崎より大迫が良ければ、岡崎を呼ばずに大迫を呼ぶ。それが100試合出ている選手でも関係ない。これは全選手に対するメッセージだ」

――9月の2試合はコンディションが影響していた。今回も同じ日程で試合を迎えるが1試合目のコンディションの持って行き方は
「言い訳をしているとは書かないでほしい。お互いに理解できないことはあるが…。1回のトレーニングを想像してほしい。火曜日に到着する選手がいるが、火曜日に来るというのは本当に難しいことだ。火曜日に来た選手に対しても、少しトライしなければいけない。前回はビデオミーティング中に寝ている選手もいた。体内には疲労がある。それでも私はトレーニングしなければいけない」

「いつもよりも時間をかけてしまった。1回のトレーニングで45分中に9個のテーマをやった。やりすぎだったと思うし、疲労がある中でさらに疲労してしまった。そこで私は自分に疑問を投げかけた。ディテールを突き詰めるために、1回のトレーニングで守備も攻撃も伝えなければいけない」

「ただ、私は魔法の杖を持っていないので、すぐに変化は表れない。調整が大事になる。つまり、1試合目が大事だ。だから試合を金曜日にしてくれと、1日ずらすことが大事だと言ってきた。イラクは全体練習を長くやっている。言い訳ではないが、こういう状況を理解してほしい」

「そこを含めて(川島)永嗣を呼んでメンタル的にチームを強くしたいと思った。疲労したといって泣くのは簡単なことだ。選手には、必ず疲労に関する質問をする。火曜日に到着した選手がプレーするかはわからない。先発落ちした選手の代わりを誰がするのか。チームにスター選手はいない。スター選手とはチームのことだ。こういう時はメンタル、経験が違いを生む。試合に出てない選手とも常にコンタクトしている。そして本来ならば、出ていない選手は外すが、現状で代わりはいない。これが真実だ」

「日本と欧州のフットボールは違いすぎる。アトレティコvsバイエルンを生で見たか? フィジカル的な要素を見たか? また宇佐美のようにポジション争いに挑んでいる選手もいる。試合のグループに入れていないため、説明を求めた。向こうの監督は、大きくてヘディングが強い選手が有用だと言っていた。だから、宇佐美にはしっかりトレーニングするように伝えた」

「彼は日本代表でジョーカーとしてプレーしている。タイ戦も途中から入って10分でかなりのチャンスを作った。これは能力ある選手の役割だ。齋藤学(横浜FM)もそう、中島翔哉(FC東京)もそうだ。疲労に関してはメディカルスタッフの役割が重要になる。疲労から回復してパフォーマンスを挙げなければいけない。彼らは真夜中まで仕事をしてくれる。また、身体生理学的に2日間で7時間の時差を消すのは不可能だ。そういう難しさもある」

――1試合目のコンディションが重要な中、Jリーグの選手を優先し適用するのか
「(手に持った書類を見せて)これは写真で撮って欲しくないが、毎節、スタッフが50人ほど調査している。毎節分析を全員でしている。永木、齋藤、中村(憲剛)、大島、小林、中島、全て把握している。井手口も好きで見に行った。追跡すべき選手だ。合宿で呼んで慣れさせる仕掛けをしている」

「海外での比較だが、香川の競争をイメージしてほしい。ドルトムントは世界有数のチームであり、香川は誰と競争しているのか。シュールレやゲッツェといったワールドカップのファイナルに行った選手たちだ。真司は狂ったようにトレーニングをしなければいけない。向こうのトレーニングを見ればわかるが、本当にすごい。必死にやらなければ先発を取れない状況だ」

「長友、本田、長谷部も一緒。毎週電話をして確認している。どうしてこうなったのかや、先発で出れなかった時の補足トーレーニングを完璧に把握している。清武はナスリと競争している。強豪で、チャンピオンズリーグに出ているクラブで競争している」

「良い選手がいるのならリストに入れるが、彼ら以上に良い選手がいるのか? 今回はたくさん問題が起きすぎている。1試合目に早いレベルのスピードについていかなければいけない。ただ、イラク戦はテストだ。かなりのことがテストできる。まずは気持ち、野心が大事になる」

「(手に持った書類を見せて)このリストは就任からの走行距離を示している。一番下を見てほしいのだが、国内組だけで臨んだ東アジア選手権のものだ。最も良いチームから10㎞も少ない。私はトレーニングのインテンシティも把握している」

「前回の火曜日はやりすぎたと私も思っているし、それを頭に入れておかなければいけない。戦術をどこまでやるか。私は全部やりたい。全て把握して全員が把握しなければいけない。そして、先発をずっと取れなければもっと大きな問題になる。3カ月出られなかったら、全く違う問題となる。それが起きて欲しくはない」

――イラク戦、オーストラリア戦のテーマは
「イラクに対しては、火曜日にトレーニングができるかわからない。戦術に関しても数カ月かけて用意はしている。イラクがどうプレーするか、オーストラリアについても把握している。今回、映像を見る時間は短くして、イラクとオーストラリアの映像をすでに選手たちに送っている。彼らがそれを見てくれると期待している」

「合宿ではミーティングの時間を短くする。ミーティングで寝ている選手がいて、時差の関係で厳しい。笑うかもしれないがこれは真実。私も冗談は好きだが、言えない状況だ。次の火曜日は戦術の練習をするか決めかねている。現場で決める。短い時間で、先に情報を与えるトライはしようと思う。先発は決めていない。選手が現地に来てフィードバックをもらって決める」

――就任して1年が経ち、3次予選も経験した。海外組の移動距離、試合の日程、レギュラーを取れない現状は知っていたと思うが、今までの話は言い訳ではないというが、言い訳にしか聞こえない。これをどう打開するか
「理解していただけないことなのかなと感じる。その意見は尊重するが、意見を言う能力があなたにあるのか。JFAとサインする前に、この難しさ、困難を彼らに伝えた方が良かったのか。もっと難しい目標はこれまでもあった」

「あなたが、言い訳に聞こえるのは間違いだと強く言いたい。私は日本のプロジェクトに入り込んでいる。初日から、サインした時から100%だ。会長も信頼している、前会長も私を選んでもらったので信頼している。彼らは私が何をすべきか把握している」

「まずはフットボールの知識を身につけてほしい。今の代表がどのような発展を遂げたか。特にオフェンス、毎試合見ればわかるだろう。私の就任前と就任後で新しいことが見られた。それに関して全ての統計もここにある。オープンな統計もある。私の目的は日本のフットボールを向上させること。いつか、世界の強豪と渡り合えるまでにしたい。ただ、そのためのトレーニングをする時間が与えられていない。これは言い訳ではない」

「皮肉な冗談だと受け止めるが、それをみなさんに言われても何か変わるのか。私はすべきことをわかっている。A代表の発展を見てほしい。就任してからの統計でも明らかだ。考え方に反対するのは問題ない。こういう風に言い訳はしないということを理解してもらいたい。皮肉な冗談を言い続けてもらっても結構だ。それでも私の仕事は変わらない」

――会長にお聞きしたいが、私には言い訳にしか聞こえないが、どう聞こえたか
「現状を説明したと認識しています。長い時間話して、代表でどう戦うか。イラク戦をどう勝つかという説明を受けました。現状の中で準備をしていると認識しています」

――監督にJリーグをダメ出しされるたびに切なくなるが、逆にJリーグの良い点は。またUAE戦と同じ結果となれば責任を取る覚悟はあるか
「笑えない質問があったね。まずJリーグを批判しているのではなく、気づきを言っている。この場でもアジアで良いチームだということはできる。相手の方が強くても言うことはできる。ただ、まだ最終予選突破していないし、最終予選は勝ち取りにいくものだというのが真実。数名はうんざりするかもしれないが、見える統計も用意して言っている」

「国内リーグ、合宿でも我々は確かめた。前回の合宿である選手と居残り練習したが、その選手はついてこれなかった。1週間後、その選手は我々のリスムに気づいて素晴らしい試合をした」

「Jリーグが世界一素晴らしいリーグだと言えば、フットボールを知らないのかと言われる。日本のフットボールは足元の技術はある、少しスピードがある。戦うところ、デュエル、戦術はまだ伸ばせる。それを批判と受け止めるのか、気づきと感じるのか。同じことを会長にも言ったが、日本の将来を心配している」

「なぜ、こう喋っているのか、私の見方で言っている真実だ。同意できない人もいるかもしれないが、代表監督としての私の意見だ。友人というより敵として扱われるかもしれない。それでも私は日本を発展するためにここにきた」

「Jリーグについてもカレンダーの提案をした。リーグの責任者に会ったが、彼らが今シーズンは決めた。自分らの選手がどうなっても良いんだなと。例えば、半分の選手たちの体脂肪があり得ないことになっていたら。Jリーグはそれで良いんだなと。私が何も言わないこともできる」

「私は選手のことが大好きで、日本は素晴らしいと思っている。だけども、フットボールに関しては良くないことを言わなければいけない。この意見の背景には必ず統計がある」

「U-16にはワールドカップ進出おめでとうと言いたい。これは本当に褒めなければいけない。昨日は(U-19日本代表の)内山監督がここに来て話をしていった。私の意見を尊重してくれる。U-19やあなたに何かできるのであれば、協力すると伝えた。それは日本の将来のためだ」

「間違えることもあるが意見は常に言っている。私は40年もの間フットボールの世界にいて、貢献したい気持ちがある。日本の長所を伸ばしてどうやって世界に勝つのか。私は提案して、それを彼らがやってくれるかわからないが、それが私の役目だ」

「真実をいうことは怖くない。日本はアジアで1番強いチームではなく、勝たなければいけない。先発を勝ち取らなければいけない。日本での生活も大好き、仕事も大好き。そして常に勝ちたい。フランスの新聞では『私が笑いを禁止した』と報じていた。しかし私は禁止していない。選手には、負けた後にお祭りのような振る舞いや冗談を言うのはダメだと伝えた。負ければ私は悲しむし、選手はそれをわかっている」

「(2つ目の質問について)1試合負けてしまった。勝つべき試合で負けた。しかし、負けたのは代表だけの責任だっただろうか。良い試合をしたと思う。そして今は審判の話はしたくない。試合を成功させるための何かをしなければいけない。みなさんが他の監督を連れてきたいのならば話は別だが、まだまだやるべきことはある」

「(田嶋会長が突然発言)いいですか? 私の方からも一言。彼は今説明したようにJリーグの発展を望んでいます。他にポジティブな面も言ってくれます。私にも耳が痛いことですが、ユースやオリンピック世代、高校生に対しての意見もいただいています。すぐ解決できること、時間かかる問題、いろいろありますが、言ってもらえるからこそしかり改善したいと考えています」

「言われたらなんとなく防御に入りたい。対抗したいという気持ちがあるのは人間として事実です。逆に海外から見てもらって、日本のサッカーを率直に伝えてもらえるのはありがたいと思っています。気づかずに自分たちの中だけで完成して満足する、それで世界と戦えなくなることを恐れます」

「僕が会長になったときも世界基準で、世界と戦うために日本のサッカーを変えてきたいと申しあげたつもりです。そのことを実行する上で、耳が痛いこともありますが、ありがたい意見だと思います。必ずしも悪い意見だけではないことをお伝えしておきます」

――この2試合の目標は
「目的は常に一緒で、2試合に勝つトライをしなければいけない。1試合目で厳しい経験して、イラクとは何度も戦っているが、状況も変わった。イラクの試合はかなり見た。彼らも強いチームで、長身の選手が多く、テクニックやクオリティも高い。それでも勝たなければいけない」

「まずはイラク戦。オーストラリアについては話さなくて良い。あえて話すならば、アジアの最も強い相手であり、かなり良いフットボールしている。ほとんどの選手がイングランドや海外でプレーしていて、フィジカルコンタクトに慣れている。そしてホームではかなりアグレッシブだ」

「さらに彼らは時々限界を超える。我々も強く入らなければいけない。アグレシブさに対抗できるようにフィジカル的な戦いに応えたい。彼らは仕掛けてくる。空中戦を準備しているだろう」

「引き分けるとすれば、それは勝つことを想像して引き分けたということ。引き分けから入れば違う結果になる。まず勝つ意識で、結果引き分けることはある。私はヴィクトリーという言葉を選手たちの頭に植え付けたい。オーストラリア戦は良いテストになる。素晴らしい試合してアウェイで勝たなければいけない」

――川島のコンディションと、鼓舞する選手が必要とのことだが、そこが前回の試合では足りなかったのか
「1試合目に負けて、勝つよりも負けたほうが100倍の情報が入る。数名の疲労はあった。ただ、グランド上で不正義が起きたと認識している。プレッシャーをかけて欲しかった。相手にもっとプレッシャーをかけて点を取って欲しかったが、不正義なことが起きて受け入れてしまった」

「私はグラウンドにあえて入った。審判に退場にしてくれとの抗議行動だ。やってはいけないが、抗議行動して何かをアピールできると思った。あの状況で許せなくてグラウンドに入った。キリンカップでも似たようなことがあった。永嗣はプレーしなかった時もしっかりと話して、全員のモチベーションを上げてくれた」

「このように第3GKにメンタル部分を求めるのは各国であること。パリ・サンジェルマンでもやっていた。メンタルプレーヤーを置いて、気持ちを立ち上げる。チームをそこから押し上げる。永嗣にはその役割を担ってほしい」

「そしてこの2試合に向けて、彼はリザーブチームで試合をしている。素晴らしいフィジカル状態だ。ツーリストとしてチームにいるわけではない。フランスでは第1GKも第2GKも第3GKも一緒にトレーニングをしている」

「監督にも電話をしてどういう状態か聞いた。すぐに先発で出るのは難しいが、西川がケガをしてしまえば起用できない。10年も代表の先発で起用されていた選手だけに、ツーリストという考えはない」