「また一番はじけたところを引いちゃったわね」そんな風に私が首を振っていたのは金曜日。コパ・デル・レイの32強対戦組み合わせをお昼のニュースで知った時のことでした。いえ、数年前からこのラウンドまで勝ち抜いた2部B以下のチームが、ヨーロッパの大会に出場している1部の6チームと当たるという決まりがあるため、アトレティコがどこと組み合わさっても別に心配はないと思っていたんですけどね。まさか、よりによって生ハム模様のユニを着ているギフエロ(2部B)って、いくら地元がスペインきってのハモン・イベリコ生産地だからって、私の目にはあまりにオチャラケているように映ったから。

え、それでも11月30日周辺に設定される相手ホームでの1stレグは当然ながら、12月21日近辺のビセンテ・カルデロンでの2ndレグにしても、アトレティコのユニの色を考えれば、彼らが生ハム模様の第2ユニでプレーする可能性はあまりないんじゃないかって? まあ、そうなんですが、クラブW杯で日本に行くため、1stレグを10月26日に早め、11月30日に2ndレグを行うお隣さんの相手はもっとマジメそうなクルトゥラル・レガネサ(2部B)。もちろん、昨季の32強対決、カディス(当時は2部B、今季は2部)戦のような前例(出場資格のないチェリチェフを1stレグに先発させ、規則違反で敗退)もありますし、彼らだって決して油断はできないんですけどね。

どちらにしろ、バルサと対戦することになったエルクレス(2部B)を含め、gordo(ゴルド/宝クジの1等賞)を引き当てたチームは大喜びなんですが、貧乏クジだったのはマドリッドの新弟分レガネスで、こちらの相手は同じ1部のバレンシア。残りの地元勢では、2部のヘタフェやラージョが早々に敗退する中、2009-10シーズンの同ラウンドでマドリーを総合スコア4-1で破り、Alcorconazo(アルコルコナソ/アルコルコンでの大失態)なる言葉を生み出したアルコルコンがエスパニョールと当たることになりましたが、まだまだコパは先の話ですからね。それまで、とりわけCLのあるマドリッドの2強にはまたしてもハードなスケジュールが待ち受けているんですが…。

その先陣を切って、各国代表戦が終わった今週末にはリーガが再開されるんですが、珍しいことに8節はマドリッドの3チームが全員、土曜日に試合をすることに。トップバッターは午後1時(日本時間午後8時)にセビージャをホームに迎えるレガネスなんですが、残念なことに金曜日に出た相手の招集リストには清武弘嗣選手の名前はありませんでした。「porque viene de un largo viaje tras estar con su selección/ポルケ・ビエネ・デ・ウン・ラルゴ・ビアヘ・トラス・エスタル・コン・ス・セレクシオン(代表にいた後、長い移動をしてきたから)」(サンパオリ監督)だそうですが、アルゼンチン代表のW杯予選から戻って来たメルカドやクラネビテルは遠征メンバーに入っていますしね。となると、お留守番の理由は微妙なところかも。

一方のレガネスは各国代表に招集されたメンバーもほとんどおらず、先週はエイバルとの親善試合などもして、1部でのホーム初勝利に向けて練習を続けていたんですが、今回見つけた心強いデータは、セビージャが2015年5月以来、リーガでアウェイ戦の勝利がないこと。確かに今季も3位と好調ながら、外では2分け1敗ですしね。来週火曜日には、これもアウェイのCLディナモ・ザグレブ戦が控えているとあって、あまり選手たちにムリはさせられないんじゃないかと思いますが、とにかくレガネスが勝つには攻守に渡ってミスをしないことが肝心。彼らの本拠のブタルケの名前を「アルブルカルケ」なんてフザけた名前で呼んでいたセビージャのカストロ会長にもしっかり覚えてもらえるよう、健闘を期待しています。

そして次に試合をするのはアトレティコで午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)から、paron(パロン/リーガの停止期間のこと)直前の節にはシマノフスキの1点で弟分に負けたグラナダをビセンテ・カルデロンに迎えることに。相手はパコ・ヘメス監督からルーカス・アルカラス監督に代わって初めての試合で、現在は最下位ですが、この2週間を挟んで巻き返しを固く誓っているはずかと。ただ、そんな相手を迎えるリーガの首位チームの方は、各国代表に出向していた選手たちが揃ったのが木曜日とかなり遅め。

サウールに関しては、スペイン代表に参加しながら、前節バレンシア戦で受けた打撲が直らず、イタリアから1人で帰国。とはいえ、シメオネ監督によると「lleva muchos partidos con dolor/ジェバ・ムーチョス・パルティードス・コン・ドロール(何試合も痛みを抱えていた)」とのことなので、もしや何か慢性のケガかもしれないと不安にさせられます。また、パラグアイ戦で脇腹を痛めたガイタンもすぐ回復と、他に負傷者が出てないのはとてもありがたいことかと。

今回は来週水曜日のCLロストフ戦まで時間もありますし、それだけに余裕もあるのか、木曜日の夜などにはグラン・ビア(マドリッド市内中央を走る大通り)にオープンしたオフィシャルショップでイベントがあるというので、私も行ってみたんですが…。うーん、交通量の多い歩道に面した入口にフォトコール用のスペースを無理やり作ったものだから、周辺は恐ろしい混雑状態に。中には訳がわからないながら、人垣に加わって、写真を撮っている日本人観光客のカップルなどもいましたが、その日は氷雨が降って気温も11度という悪天候だったんですよ。そんなところで選手にマスコミ対応させたら、大事なリーガ戦を前に風邪でも引いてしまうんじゃないかと心配しましたが、大丈夫。ゲストとしてきたのはガメイロとオブラク以外、グラナダ戦先発が予想されていないカラスコ、サウール、トーマス、ベルサリコ、モヤらだったから、まあいいかと。

ちなみにこのお店、場所は地下鉄のCallao(カジャオ)駅とSanto Domingo(サント・ドミンゴ)駅の間にあるんですが、目抜き通りにあるだけに、何となくマドリッド散策をしていれば突き当たるかも。もちろんショップはビセンテ・カルデロンにもあるんですが、試合前に寄ったりすると、レジに行列ができていて、焦ったりもしますからね。こちらの新店舗もグッズを含め、結構、充実しているのでお勧めです。そうそう、グラン・ビアのカジャオ駅の先にはお隣さんのオフィシャルショップもありますよ。

まあ、その辺はどうでもいいことなんですが、金曜日にはグリーズマンがリーガの9月最優秀選手賞を授賞したなんてニュースも。ただ、先日はウサイン・ボルトと共演するプーマのCMが公開されたりして、随分、出世したものだと思ったものでしたが…。意外なところに反論を唱える人が出現。それはフランス代表の同僚リベリで、曰く「彼はまだワールドクラスの選手じゃない。何年も高パフォーマンスをコンスタントに維持していないからね。いい状態が10、12、15年続いたら、祝福してあげるよ」というのですが、もしやこれって9月のCLでバイエルンが負けたせいでの嫌味?

対してグリーズマンの方は、「自分がどのクラスの選手なのかはキャリアの最後にわかるよ。ボクにはまだ10年先があるからね」と答えていましたが、いやいや、若いと言ってももう25歳。当人が望むように、メッシやクリスチアーノ・ロナウドと同じ食卓につくにはここ数年が勝負では? その間に早くPK失敗癖を直して、アトレティコで大きなタイトルを複数獲って、バロンドールをもらえるといいのですが、さて。ちなみにこれまで、フォルランなどゴールデンシュー賞(ヨーロッパの得点王)は輩出したことがあっても、バロンドールはいないアトレティコではクラブや監督、チームメートも一丸となって、グリーズマンのため、これからバロンドール獲得に向けてロビー活動をする予定だとか。

そんな彼を筆頭に、グラナダ戦ではガメイロ、コレアの3人FW体制で、Dia de las Penas/ディア・デ・ラス・ペーニャス(ファンクラブの日)にスタジアムに駆けつけるファンを喜ばせる準備をしているアトレティコですが、その彼らの試合が終わったすぐ後、土曜日の午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からアウェイのベティス戦に挑む、現在4連続引き分け中のマドリーはどうしているかというと。こちらはちょっと苦しいことになっていて、ケガを抱えて、結局コロンビア代表ではプレーはせず、マイルを貯めただけのハメス・ロドリゲスは別として、スペイン代表戦ではキャプテンのセルヒオ・ラモスがヒザの靭帯を損傷。全治6週間となってしまったんですが、それ以外にもカゼミロ、モドリッチがリハビリ中ですからね。

それでもロナウドやベイルがそれぞれのW杯予選でゴールを挙げ、とりわけ前者などはアンドラ戦で4得点とかなり調子を上げてきたようですから、マルセロの復帰と一緒にジダン監督にとっては朗報となったはずです。加えて木曜日にはロナウド、モドリッチ、ペペ、ベイルらの先陣を切って、クロースが契約を2022年まで延長したという、ファンには嬉しいニュースもあったんですが、ハメスもまだ治っていないベティス戦ではクロース以外のメンバー、コバチッチ、アセンシオ、ルーカス・バスケス、イスコといった辺りで、誰を先発として使うかは迷うところかと。

一方、マドリーをベニト・ビジャマリンに迎えるベティスは現在15位で、前節もレアル・ソシエダに1-0で負けるなど、なかなか今季からチームを率いるウルグアイ人のポジェ監督の思う通りにはいっていないよう。とはいえ、ここまでビジャレアル、ラス・パルマス、エイバル戦と、マドリーが集中力を切らすのを利用して、普通のチームが引き分けてきたのを目撃しているため、やはり契約を2019年まで延長したばかりのルベン・カストロやホアキンら、ベテラン選手たちも張り切っているはず。金曜日の記者会見では、「a lo mejor hay que preparar un poco mejor los partidos, yo el primero/ア・ロ・メホール・アイ・ケ・プレパラール・ウン・ポコ・メホール・ロス・パルティードス、ジョ・エル・プリメーロ(もうちょっと試合の準備を上手くした方がいいのかもしれない。まず私を筆頭にね)」と言っていたジダン監督ですが、今回は果たして選手たちのやる気を、試合を通じて維持できるでしょうか。
【マドリッド通信員】
原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。