2016 Jリーグ YBCルヴァンカップの決勝戦、ガンバ大阪vs浦和レッズが15日に埼玉スタジアム2002で行われ、延長戦を終えて1-1で迎えたPK戦を4-5で制した浦和が2003年以来2度目のリーグカップ優勝を果たした。

試合後、準優勝に終わったG大阪の長谷川健太監督が記者会見に出席。試合を振り返り、敗れても選手たちのプレーぶりに一定の満足感があることを明かした。

長谷川健太監督(ガンバ大阪)
──試合を振り返って
「決勝戦で勝つこともあれば、今まで負けてきたこともありますが、こんなに清々しい負けは初めてです。選手が全てを出し切って戦ってくれました。両チームとも第1回目のルヴァンカップ決勝にふさわしい試合をしました。素晴らしいスタジアム、両チームのサポーターの前で、最後まで勝負にこだわって、両チームが出し尽くして試合をしました」

「細かい内容に関しては色々あると思います。2週間前は戦えないままで敗れ去ったリーグ戦でしたが、この2週間でよくここまでの試合を見せてくれたなと思います。PK戦は残念でしたが、こういったゲームを続けていくことが、チーム、個人の成長につながると思いますし、日本サッカーの成長に繋がると思います」

「決勝戦で負けると段々悔しさがこみ上げてきて、大阪に着く頃にはマックスになっていると思います。なんであのときああしなかったか、なんで呉屋を指名してしまったとか…(笑)。他の選手にPKを蹴らせようと決めていたんですが、決めていた選手が拒否しました。パッと目が合った瞬間に、蹴りますと言ったので、なんて勇気のある、気持ちのある選手なんだなと」

「決勝戦のPKで蹴りたがらない選手も中には居て、その選手よりも勇気ある、気持ちあるPKを蹴ってくれたと思います。外しましたが、ここから呉屋が成長してくれれば、いつかはガンバにタイトルをもたらせてくれると思います」

「ただ、泣いて居なかったのがちょっとね…(笑) 新人で外してしまったら、すいません、すいませんと謝っていくのがPKの常なんですが…悔しそうな顔はしていましたし、他の選手にいじられたのもあるかもしれません(笑)。彼はこの悔しさを成長につなげてくれたと思います。最後まで足がつっても全員が戦ってくれましたが、勝たないとサポーターも、チームも、戦っている選手も喜べないと思います。機会があれば、またタイトルを獲れるようにチームを準備していきたいと思います」

──十分勝つチャンスはあったと思うが
「(点を)取りきれなかったことは、まだ力がなかったかなと思います。呉屋のシュートもライン上を転がって、私の気迫がもう少しあれば、ポロッとゴールラインを割ったかもしれません。後半に入ってから15分ぐらい苦しい時間帯はありましたが、しっかりと盛り返してどっちが勝ってもおかしくない試合になりました。もう一歩、そこを突き放せる駒や力がチームに欠けていたかなと思います。交代して入った李がパッと決める。交代直後のセットプレーで、しっかりと対応してくれたと思いますが、あの辺りが勝負のアヤかなと思います。浦和レッズの選手、監督、サポーターにおめでとうと言いたいです」

──サッカーはタラレバの連続だと思うが
「タラレバは勝負の世界にはないと思います。呉屋の責任ではなく、(キッカーに)決めた私の責任です。ただ、彼が何か使いたくなるような、蹴らせたくなるような、内なるパワーを秘めた選手だということは間違いないです。今日は、結局は私が持っていなかったのかなと。レッズの方が今日はラック(運)もあったのかなと思います」

──清々しさはどの辺りにあるか
「選手も最後まで気持ちを出して戦ってくれましたし、ベンチとしても絶対に引けないという思いで、交代も含めて、最後まで選手と一緒に戦おうと、攻撃のカードを切りました。そういった中で、運も多少なかったのかもしれませんが、2週間前の試合内容、結果に比べたら、選手がここまで良く戦ってくれたということに感謝したい気持ちでした」

「足をつりながらも米倉は何度も攻撃参加してくれました。上がらなくても良いと言っているのに、ボールが出るとダッシュしてしまったり、コンちゃん(今野泰幸)も気持ちで球際を勝ってくれました。(井手口)陽介なんかは、本当に20歳なんかなと思う躍動感でプレーしていました。ヤット(遠藤保仁)なんかも、足をつっていましたが、最後までしっかりとしたプレーをしてくれました」

「どの選手も全て出して、最後まで戦ってくれましたので、しゃーないと思うしかないかなと思っています。ただ、振り返ると、自分自身に色々と出てくると思います。天皇杯は市立吹田スタジアムで決勝戦がありますし、今度はカップ戦のホームでサポーターと喜びを分かち合えるように、今シーズン残された試合を全力で戦いたいと思います」

──お互い攻めに出ていた印象だが、心理的な背景は
「今のレッズ(を相手に)は守っても守れないと思ったので、攻めないといけないと思いました。攻めるというのは、無謀に攻めるのではなく、アグレッシブな守備というのが良い形の攻めに繋がると思っています。前回はそこが中途半端になっていたので、今回は選手も行く時と、引いてブロックを作る時、入ってくるボールに対してしっかりと寄せる。今日は、李のシュートの折り返しが1番危なかったですが、しっかりと身体をつけて対応できたと思います。アグレッシブさが前回の4-0の敗戦の原因だと思いましたし、そこから準決勝のマリノス戦から選手たちがアグレッシブさが取り戻してくれました。気持ちも身体も良い状態で戦えたので、多少硬さはありましたが、こういった試合ができたのは最後にきて大きな収穫だったと思います」

──呉屋選手や井手口選手など大きな舞台で生え抜きの若手が活躍しているのは今後どう繋がっていくか
「井手口は昨年の天皇杯は途中から出てきて、勝つ喜びも味わっていると思いますし、ルヴァンカップは準々決勝から全試合フル出場しています。ニューヒーロー賞もとって、この試合に勝ちたいという気持ちで臨んでいたと思います。ニューヒーロー賞にふさわしいプレーだったと思います。悔しい思いというのは選手を成長させると思いますので、DNAというのがガンバというクラブに脈々と受け継がれて、クラブが成長すると思います」

「今回、U-19日本代表でこの大会に出られなかった堂安や市丸、初瀬なんかも井手口のプレーぶりに刺激を受けていると思います。ガンバというクラブがアカデミーをしっかりと育てて、そういった選手を中心にクラブを作っていくという方針でやっているので、今日の悔しさを彼らがどう受け止めて、今後の成長にどう繋げてくれるのかが楽しみですし、糧にできなければ成長にはつながらないと思います」

──リーグ戦が3試合残っていますが
「ACLも3チーム+1チームと決まったようなので、まず4位以上を目標に残り試合を戦っていきたいです。3位とは勝ち点8差と開いていて、3試合とひっくり返すのは現実的にはなかなか難しいですが、応援してくれるサポーターのためにも良いフィニッシュをして、天皇杯に繋げていければと思います」

──試合をコントロールしていてレッズらしい攻撃をさせなかった印象だったが
「戦術的な部分は、[3-6-1]の相手はJリーグで非常に多いので、守備の細かいところを改めてこの1週間でやったということはありません。ただ、前回の負けは切り替えの部分や奪われたところで走って戻るといった、単純なところで後手を踏んでいました」

「あとは、ボールの受け方もレッズの選手はオフの動きをいれてから受けていましたが、ガンバの選手はその辺りが希薄になっていました。真っ直ぐ受けたり、オフの動きがなく受けたりしていました。まともにレッズのプレッシャーを受けて、ロストするシーンが前回の試合は多かったです。基本的なところですが、ボールを受ける前にオフの動きを入れてからボールを貰おうと。裏でも表でも良いですが、そういった基本的な部分をやらないと、浦和相手にはサッカーをさせてもらえないと前回思い知らされました」

「守備の切り替えの部分だったり、もちろん今野、井手口の中盤のアグレッシブな2人が居たので、前から強引にアグレッシブに行っても大丈夫だったというのはありますが、攻撃の部分でも自分たちが保持する時間だったり、攻撃する形を出さないと、今日は浦和に勝てないと言っていました。攻守においてポイントだけ整理して、120分間選手がやってくれたと思います」