東京都には約2,000社の神社があると言われています。初詣や祈願成就で参拝したり、散歩がてらに立ち寄ったりと神社に行く機会は何かと多いのでは。本シリーズでは写真家の石津祐介さんが、神社の見どころや土地とのつながり、オススメの授与品を紹介し、神職の方からお話を伺います。第2回は「赤坂氷川神社」です。


緑に囲まれた高台に鎮座する神社
 赤坂氷川神社は、埼玉県や東京都に200社以上ある氷川神社の一つです。「厄除けと縁結び」のご利益がある神社として知られ、とくに女性に人気があります。今回は、権禰宜(ごんねぎ)の神屋宗太郎さんに神社を案内していただきました。


江戸幕府の八代将軍、徳川吉宗ゆかりの神社
 もともと神社は一ツ木村(現在の赤坂4丁目付近)にありましたが、紀州徳川家出身の徳川吉宗が江戸幕府の将軍職を継ぐにあたり、紀州藩の屋敷が赤坂にあったことから「天下一の将軍の神社を、地域一体が見渡せる高台の広い場所へ」と、現在の地に遷座され社殿が造営されたといいます。

 「もともと神社は今の赤坂見附駅の近くにありました。この地に移ってから吉宗公のご参拝があり、将軍家と縁のある神社となりました」(神屋さん)


厄除けと縁結びのご利益
 赤坂氷川神社では、素盞嗚尊(スサノオノミコト)、奇稲田姫命(クシイナダヒメノミコト)、大己貴命(オオナムジノミコト)の3柱を御祭神としています。

 「日本神話では、素盞嗚尊は八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治しましたので、そのことから『厄除け』のご利益、素盞嗚尊と奇稲田姫命は夫婦神で、出雲大社で有名な大己貴命(大国主命)をお祀りしていますので、『縁結び』のご利益があります」(神屋さん)


大人気の神事「縁結び参り」
 赤坂氷川神社では、月に一度行われる「縁結び参り」の神事があります。

 「神事では男女のご縁など、さまざまな『縁結び』を御祭神にお祈りしていただき、その後に授与品をお渡しします」(神屋さん)

 斎行日はホームページにて案内されますが、受付開始からものの数分で予約が埋まるという人気ぶりだとか。また3月3日の「桃の節句の縁結び参り」や、7月7日の「星合ひの縁結び参り」など季節の縁結び参りも行われています。

 境内には、梛(なぎ)の木にさくらんぼの根付を結ぶ「さくらんぼ結び」や、格子に願い事を書いた紙を結ぶ「縁結ひ(えんゆい)」があり、とくに女性の参拝者に人気です。


勝海舟ゆかりの四合(しあわせ)稲荷
 境内にはいくつかの稲荷神社が鎮座していますが、その中でとくに注目したいのが四合稲荷です。明治に神社の近くに鎮座していた4社の稲荷神社を合祀した際に、幕末に活躍した勝海舟により「4社を合祀」、幸福の「しあわせ」、「志を合わせる」をかけ、「四合(しあわせ)稲荷」と名付けられました。

 「縁結び参りでお渡しする授与品『四合御櫛(しあわせみくし)』は、ここから名前をいただいていますので、ぜひご参拝いただければと思います」(神屋さん)


人気の授与品や御朱印をいただこう
 縁結びの神社ですので、一番人気の授与品は縁結びのお守りです。赤坂氷川神社オリジナルデザインの「縁結守」の2種類受けることができます。

 青海波に千鳥を組み合わせた「波に千鳥」は、「困難を共に力を合わせて乗り越えてゆく」人との出会いを祈願し、七宝文様は円のつながりがご縁、円満、調和を意味しています。

 御朱印は、通常の御朱印として氷川神社と四合稲荷のものがあり、また季節ごとに特別な御朱印も用意されています。


いろいろなご縁に巡り合えるように
 「赤坂氷川神社は、縁結びの神様をお祀りしている神社ですので、ご自身の良縁はもとより、ご家族や友人、お仕事などさまざまなご縁を、お願いに来ていただければと思います」(神屋さん)


■赤坂氷川神社(あかさかひかわじんじゃ)
住所:東京都港区赤坂6-10-12
TEL:03-3583-1935
社務所受付時間:9:00〜17:00
縁結び参り斎行日:7月日程は5月30日9:00に発表(6月分は予約満了)
アクセス:東京メトロ千代田線 赤坂駅より徒歩8分
東京メトロ日比谷線・都営大江戸線 六本木駅より徒歩8分
東京メトロ南北線 六本木一丁目駅より徒歩9分
東京メトロ銀座線 溜池山王駅より徒歩13分