サッカーのロシア・ワールドカップ(W杯)出場をかけたアジア最終予選の第4戦。オーストラリア代表との大一番を控えた前日会見で、日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、こんなことを言っていた。

「今の時代は(スカウティングなどによって)、互いのことを知り尽くしているので、互いに大した驚きはないのではないかと思う」

果たして、10月11日(火)に行われた敵地での戦い。蓋を開ければ、普段は右サイドの本田圭佑選手をワントップで起用。試合後の会見では、「今日はサプライズを起こしたわけだが、これがうまくいきかけた」と口にした。

実際に、ワントップで出場した本田選手自身が「ぶっつけ本番」と振り返る秘策だったが、開始5分にその本田選手のアシストから原口元気選手が先制ゴール。後半に追いつかれ、1-1でタイムアップを迎えたが、指揮官の思惑通りの展開に持ち込んだと言えそうだ。

ちなみに、前日会見では「我々はこれまでの予選でかなり(ボールを)支配してきたが、オーストラリアは高い位置でプレスをかけてくる可能性がある。海外でプレーしている選手が多いので、フィジカルもかなり強い。しかも彼らのホーム。いつも以上にプレッシャーをかけてくる傾向がある。今のところ、我々はこういうシチュエーションを経験していないが、びっくりしないように選手には伝えてある」とも語っていた。

相手にボールを持たれる展開でも驚かないように、という選手への指示だが、実のところはより緻密。ボールを持たれることは織り込み済みどころか、試合後には「相手にわざとポゼッションをさせた」とすら語っている。

誤解なきよう、「騙された」と糾弾するつもりはこれっぽっちもない。W杯出場をかけた大一番なのだから、指揮官自らの情報戦も当たり前ということだ。

日本代表は、11月15日(火)にホームの埼玉スタジアム2002で行われる最終予選の第5戦では、サウジアラビア代表と対戦する。今後は試合前後に指揮官の発するコメントに注目することで、サッカー観戦の新たな楽しみが加わるかもしれない。【ウォーカープラス編集部/コタニ】