発売当時は間違いなくスーパーカーだった

程度そこそこでも2000〜3000万円。海外では1億円も突破して話題になっているのが、トヨタ2000GTだ。しかし、1967年に市販された50年も前のクルマである。

実車を見るとかなり小さくて、5ナンバー枠に収まるほど。エンジンもたった2リッターだ。それほどの価値があるのかだろうか?

最初に姿を現わしたのは1965年の東京モーターショーだが、当時はまだやっと国産車の性能も安定してきたときだし、庶民は中古でもなかなか買えない時代だった。そこに流麗なスタイルをもったスポーツカーが登場したこと自体がまずは凄い。

もちろん性能的にも当時としては目を見張るものがあり、市販化の前にレースに参戦。鈴鹿1000kmでは優勝しているし、今や伝説となった谷田部のテストコースでの3つの世界記録と13の国際新記録を樹立。また映画の007に登場したのも発売前で、話題に作りひと役買っている。

装備も当時としては異例のレベル。実用ユニットのM型をDOHC化しているのだが、DOHCとしてはトヨタ初。そこにツインチョークのウエーバーキャブレーターを3連装していたのもトヨタとしては当然、初めてだった。

 

また足まわりでは四輪ともダブルウイッシュボーン化(トヨタ初)。四輪ディスクブレーキやマグネシウムホイールの採用は日本初だし、リトラクタブルライトも市販車としては初だった。

またインパネはローズウッドを使用したもので、これはもともと2000GTを企画したヤマハの楽器作りの技術を流用したもの。それにふさわしい流麗なボディも時代を考えればかなり先進的といっていいだろう。

肝心の価格は当時としては凄かった。238万円というのは、今でこそさほどではないが、当時としてはクラウンが2台以上買えてしまうほど。現在に換算すると、1000万円オーバーぐらい。もちろんクルマ自体の価値基準が今と違うので、実感としては3000万円ぐらいといったところだろうか。

(文:近藤暁史)