ペダルのコントロールにメリットがある

クルマのペダルの形式には、ペダルがステアリング側から吊れている「吊り下げ式」と、ペダルの下端がフロアに固定されている「オルガン式」の2タイプがある。

国産乗用車のほとんどは吊り下げ式で、オルガン式はかなり少数派。オルガン式で有名なのは、ポルシェの各モデルで、最近ではマツダが主要車種に積極的にオルガン式を採用している。

そんなマツダのHPを見ると、次のようにオルガン式のメリットが書かれている。

「オルガン式アクセルペダルでは、かかとをフロアにつけてペダルを踏み込んだとき、踏み込む足とペダルが同じ軌跡を描くため、かかとがずれにくく、アクセルペダルがコントロールしやすくなります。またシートに座って自然に足を前に出した位置にアクセルペダルを配置することで、運転時の疲労を軽減し、とっさのときの踏み間違いも起きにくくなります」

その他、ペダルをつま先という“点”ではなく、足裏全体の面で踏みやすいとか、フロアに直付けされているので、ペダル剛性を出しやすいとか、靴底が厚い靴、ソールが固い靴でも操作しやすいといった利点もある。

一方で、ヒール&トゥが若干やりづらいとか、ペダルレイアウトの微調整がしづらい、フロアマットがずれたときに干渉しやすく、専用マット以外は使えない(トヨタが、「アクセルペダルがフロアマットに引っかかる恐れがある」として大量のリコールを出したことがるが、あれは吊り下げ式……。しかし、そのリスクは、オルガン式の方が構造的に大きい)などのデメリットも。

どちらのタイプにも長所と短所があるわけだが、そうしたなかで、吊り下げ式のペダルが大きく普及したのはコストの問題。フロントエンジンのクルマで、ワイヤーを使ってスロットルをコントロールするなら、吊り下げ式のほうがシンプルで安く済む(ペダルとエンジンの間は、バルクヘッド一枚で仕切られているだけ)。

ポルシェ911のようにRRのクルマは、そうしたシンプルなレイアウトにはならないので、吊り下げ式にしてもコスト的なメリットは小さい。

ただし、最近のクルマは機械的なワイヤーではなく、電気的なワイヤー(電気信号)=DBW(ドライブbyワイヤー)でスロットルをコントロールしているので、コストの差は以前より小さい。そういう意味では、マツダのように、今後オルガン式ペダルの割合が少しずつ増えてくることは考えられる。

(文:藤田竜太)

【詳しくこちら】

http://www.mazda.com/ja/innovation/technology/safety/zero_safety/organ/