グローバルラリークロスってなんだ?

日本のトップラリーストである新井敏弘選手が、グローバルラリークロス最終戦にスバルWRX STIで参戦することが急きょ決定した。

グローバルラリークロスとは、ジャンプも含むダートコースと舗装路が組み合わさったコースを使って、ラリー仕様のマシンで行なわれる肉弾戦的なレースとして、欧州で盛んなレースカテゴリーの一つ。ヨーロッパ選手権は1973年からスタートしている。

また、2014年からはFIA世界ラリークロス選手権(WorldRC)が開催されている。このW-RCに近いレギュレーションで行われている、まさにラリークロスのアメリカ・バージョンといえるのが、このレッドブル・グローバルラリークロス選手権(GRC)である。

アメリカでのラリークロスは、2010年からスタート。もともとはXゲームの一部として開始したもの。2012年にグローバルラリークロスという名称となり、2013年には下位カテゴリーとなるライトクラスを新設、2014年にはシリーズ年間10戦を開催するなど、年々イベントとしても成長を遂げている。

この競技は、ダートとターマック(舗装路)、そしてジャンプスポットが設けられた特設コースで行なわれる。面白いのは、ジョーカーラップと呼ばれるコースが設けられていることだ。これはコースを一部ショートカットできるもので、使用するタイミングは各チーム・ドライバーの判断となる。スポッターと呼ばれるナビゲーターがコース脇にあるスタンドからコース内の各車の状況を逐一ドライバーに伝え指示を出す。

練習走行に続き、予選、ヒートレース、セミファイナル、ラストチャンスクオリフィア(LCQ)、そしてファイナル(決勝)というセッションスケジュールとなる。

予選は単走で5周し、そのベストラップがヒートレースの進出基準タイムとなる。ヒートレースはセミファイナルへの進出を掛け4台のマシンで6周を走行。そしてセミファイナルは6周の走行を2回行ないそれぞれのトップ3が自動的に決勝へ進出できる。LCQは敗者復活戦ということで、LCQを勝ち残った4台も決勝へと駒を進めることができる。そして予選を勝ち上がってきた10台で10周を争う(今回のLA戦は12台12周の決勝へと変更されている)のが決勝となる。

シリーズは、スーパーカークラスとライトクラスという2クラスで開催。スーパーカークラスは4輪駆動で600馬力をたたき出すモンスターマシン。フォルクスワーゲンのビートル、ホンダ・シビック、フォード・フィエスタといった車両が出場している。一方のライトクラスのほうは、馬力を310馬力に抑えられた車両を使用する。

2016年のGRCは3月のアリゾナ州フェニックスでの開催を皮切りに、8カ所12戦(ダブルヘッダーと呼ばれる1イベント2レースの開催が4回ある。このLA戦もそのひとつ)が行われている。そのGRC選手権最終戦は、カリフォルニア州サン・ペドロにあるポート・オブ・ロスアンゼルスが舞台となる。

STIは、今シーズンから、このGRCへ参戦しているスバルラリーチームUSA(SRTUSA)への技術サポートを開始しており、今回新井敏弘選手がスポット参戦することとなった。

新井選手は、プロダクションカー世界ラリー選手権(PCWRC)で2005年及び2007年にタイトルを獲得したほか、国内外のラリーで輝かしい戦績を残してきた日本のトップラリードライバーである。今回SRTUSAは、デビッド・ヒギンズ選手、クリス・アトキンソン選手、そして新井選手を入れた3台体制でGRC最終戦に臨むこととなった。

ポート・オブ・ロスアンゼルスはその名のとおり、ロスアンゼルス郊外にある港で、周囲はコンテナが並ぶヤードや、貨物船が横付けされるコンテナ埠頭などがある一角に設けられた特設コース。しかしながらキャブリロ・マリーナの入り口に面しており、殺伐とした埠頭というよりはハーバー・リゾート感のある場所となっている。

(文・写真:青山義明)