FR時代はスポーティ路線でレースでも活躍!

トヨタのカローラが50周年を迎えて大いに話題になっているが、ライバルであった日産のサニーも50周年を迎えている。アクシオになりつつも、今でも存続しているカローラに対して、サニーはなくなってしまっただけに、注目があまり集まっていないのはさびしい。

そもそもカローラとサニーは真っ向からぶつかり合うライバルだった。両車が発売された1966年は高度経済成長を背景にしたモータリゼーションが起り、庶民もなんとかクルマが持てそうな時代。そこに対して、トヨタと日産が満を持して、実用性に優れた安価な小型車を投入するとなれば、期待も大。盛り上がってもおかしくない。

伝説となっているのが、その排気量だ。カローラ、サニーともに1000ccで発売する予定だったのが、トヨタが事前に察知。100ccアップした1100ccにして発売しただけでなく、広告で「プラス100ccの余裕」と打ち出されてしまった。ただし、それでサニーが不振となったわけではなく、実用車を欲していた時代でもあっただけに、サニーの販売も好調だった。

そもそもサニーのほうが事前の盛り上がりはあった。発売前年の1965年には次に出る小型車の名前として、公募を実施。なんと800万通の応募があり、最終的には日産自動車の創業者である鮎川義介の立ち会いのもと、サニーに決定するなど、大いに盛り上がった。このイベントは日本で最初のティザー広告とされている。ちなみにサニーの車名は、応募の第1位ではなかったようだ。

その後、カローラとサニーは熾烈なライバル争いを続けるが、2代目から3代目あたりになると、それぞれのイメージが微妙にずれるようになってくる。カローラが80点主義をベースとしつつも、高級感をうまくプラスしていったのに対して、サニーはスポーティさもプラス。

心臓部に収められたA型はOHVながら、1万回転を回すことも可能とされ、レースでも大活躍している。とくにTSレースでは常勝マシンとして君臨した。(写真はプライベートカーのエンジン)

ただ、FRからFFに変更となると、スポーティさも薄れていく。RZ-1やNXクーペ、ルキノなど、派生モデルも投入されたが、大きな流れになることはなかった。

その後、2004年に発売された9代目で国内からその名前は消えてしまうことになる。38年の歴史だった。

実質の後継車としてはティーダ・ラティオが登場したが、セダン不振のなかで販売は芳しくなかった。

一方、メキシコではツルとしてその流れは受け継がれ、国民車として愛されている。

(文:近藤暁史)