全面液晶メーターなど先進性も際立つ

日本でおなじみの輸入Dセグメントのセダン/ワゴンはまさに百花繚乱。メルセデスベンツCクラス、BMW3シリーズ、アウディA4、そしてフォルクスワーゲン(VW)パサートが四天王。

Cクラス、3シリーズはパワーユニットの選択肢も多く、一方でVWの最上級セダン/ワゴンのパサートは国内のデビュー以来、時代を象徴する150馬力の1.4リッターダウンサイジングターボ+DSGのみで勝負してきた。

実際に乗れば、動力性能に不足はまったくなく、さすがに同エンジンを積むゴルフハイラインとは別格のラグジュアリーな走行性能、静粛性、乗り心地などに満足できるものだった。とはいえ、ユーザーの一部には「このクラスで1.4リッターじゃ納得できない」というひともいるはず。

何しろ、かつてはV6エンジンを積んでいたクラスであり、仲間内のアウディA4は2リッターターボ搭載なのである。そこでVWはパサートにゴルフGTI譲りの2リッター、220馬力/35.7kg-mというハイスペックなターボエンジンをアクティブシャシーコントロールDCCとともに「Rライン」として搭載。これでアウディA4と同様のエンジンラインアップを得ることになったのだ。

パサートはVW最新尖鋭の先進安全装備を搭載した初のモデルでもあるのだが、さらにRラインにはぜひとも装備したいアウディA4のようなデジタルメータークラスター=アクティブインフォディスプレーをオプションで新採用。

TFT12.3インチのディスプレーにバーチャルな速度計、回転計、インフォメーション情報を表示するとともに、中央にナビゲーションの表示も可能。先進感に満ちた世界を実現している(ただしナビ画面は100mスケール固定)。合わせて自動駐車支援機能なども用意し、先進機能を格段に向上させている。

ステアリングは軽くひらひらと軽快な走り

パサートRラインは走らせても1.4リッターモデルとは別格だ。出足から中間加速に至るまで、1・4リッターモデルに対して50kg重い1510kgの車重にして、それをまったく感じさせないトルクのさらなる余裕による”軽さ”とスルスルと速い加速力が持ち味。

Rライン専用の19インチタイヤ&ホイールを履いた乗り心地もまた軽やかかつフラットなもので、少々荒れた路面でも(鋭利な突起の乗り越えは別にして)快適そのもの。

 

もちろん1・4リッターモデル同様、VWのなかでもっとも静かな室内空間も確保されている。ただ、パワステはVWとしてはかなり軽い設定で、走りの軽快感、爽快感が際立つ代わりに、ドイツ車の上級モデルらしいしっとり重厚な乗り味は感じられない。

が、それは街乗りや高速クルーズでの話。軽さ感は飛ばすほどにいい方向に作用し、カーブや山道ではゴルフGTIに迫る(!?)、ひらりひらりとした軽やかでキビキビした身のこなしの気もちよさが全面に出てくるから走りは痛快だ。

とはいえRラインはワゴンのヴァリアントでシリーズで唯一インフォテイメントシステム=ナビ標準とはいえ519.9万円と価格は微妙。内外装の高級感、仕立てのよさで優位に立つアウディA4アバント2.0TFSIの547万円と大きく変わらない(A4はベースグレードですが)。

パサートでおいしいのは、Cクラス、3シリーズ、A4に対して圧倒的に割安かつ買い得で、よりドイツ車らしい重厚な走りのテイストをもつ1.4リッターターボの17インチタイヤを履くコンフォートライン、ハイラインだと思うんですけどね。

(文:青山尚暉/写真:増田貴広)