今週末の8日からいよいよセ・パ両リーグのクライマックスシリーズ(CS)第1ステージが始まる。セは巨人、パはソフトバンクと優勝候補の本命と言われながら2位に甘んじた両チームがどう巻き返すか。いろいろな見どころがある中で、私は巨人の抑え投手・沢村拓一に注目している。高橋由伸監督が目指す日本一を達成できるか否か、沢村が鍵を握っていると言っても過言ではない。

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毀誉褒貶が著しい

 沢村は新人王を獲得した2011年から毀誉褒貶著しい投手だった。150㎞台の真っ直ぐで相手打者を抑え込む力を持っている半面、肝心の勝負どころで制球が甘くなっては痛打されてしまう。そのせいか、1年目の11年は先発で11勝11敗、2年目の12年は10勝10敗で、「2桁勝っても同じ2桁負ける投手」という評価が定着。抑えに転向した15年も、7勝3敗36セーブ、防御率1・32と素晴らしい成績を残した一方、リードしていた試合を引っ繰り返されるケースが目についた。

 今季は自己最多の63試合に登板し、6勝4敗37セーブ、防御率2・66でセーブ王のタイトルを獲得。そろそろ守護神として信頼を勝ち得てもいいころだが、球団関係者の間では「僅差のリードで沢村が出てきたらヒヤヒヤする」という声が後を絶たない。

 なにしろ、8度の救援失敗のうち、4度がシーズンのヤマ場だった8〜9月に集中している。しかも、そのうち2度は優勝した広島との直接対決で、勝ったら首位浮上へ弾みがつくと見られていた重要な試合。もっと言えば、エース菅野智之の勝ち星を消したことが3度もあり、9月14日の中日戦では菅野の4年連続2桁勝利も帳消しにしてしまった。さらに、ダメ押しのようにとでも言おうか、今季最後の登板だった9月30日の阪神戦でも、内海哲也の3年ぶりの2桁勝利を潰し、サヨナラ負けで敗戦投手となっている。

 その翌日、日刊スポーツは10月1日付の紙面でこんな屈辱的な見出しを掲げた。

 「沢村 内海の10勝消した またまたまたまたまたまたまた…8度目失敗 CS不安」
 CSのS、セーブのSをかけているセンスがスポーツ紙ならではだったが、当の沢村や巨人にとっては感心している場合ではない。