国際通貨基金(IMF)は8月11日、財政構造改革の実施を条件に、エジプトに3年間で120億ドル(1兆2000億円)の融資を行うことで基本合意した。IMF理事会の最終承認後、実行される。

エジプト経済再生に不可欠なIMF支援

 「アラブの春」でムバラク大統領が2011年2月に失脚して以降、内政の混乱やイスラム過激派によるテロの影響を受けた観光客の急減、外資の流入の落ち込みから、エジプト経済は停滞し深刻な外貨不足に陥った。ちなみに、10年末には360億ドル(3兆6000億円)あった外貨準備も、今年7月末には約6割減の155億ドル(1兆5500億円)に減少している。

 IMF支援はエジプト経済に不可欠であるが、シシ大統領には両刃の剣でもある。IMFとの融資合意が、世界銀行やアフリカ開発銀行などの国際金融機関や欧米諸国などからの支援に弾みをつける点では望ましい。反面、IMFと約束した財政構造改革、例えば、エジプト・ポンドの切り下げや付加価値税(VAT)の導入、各種補助金の削減などの政策は輸入価格の上昇、国民負担の増加に直結する。