南シナ海で初の合同演習

 今年9月12日から19日に掛けて、中国とロシアは「海上連合2016」と題する共同演習を南シナ海で実施した。「海上連合」演習は2012年の第1回以来、毎年開催されており、今年は5回目。しかし、南シナ海といえば中国による強引な海洋進出が国際的な摩擦を生んでいる海域である上、同海域における中露の合同演習は初めてということもあり、我が国の内外でも大きな注目が集まった。

 では、その実態は如何なるもので、その狙いは何であったのか。本稿ではこの点について考察してみたい。

(写真:新華社/アフロ)

 まずは演習の実態を把握することから始めよう。ロシア国防省によると、今回の演習に参加した兵力は中露併せて以下のとおりであった。

・潜水艦2隻
・水上艦13隻
・航空機及びヘリコプター20機以上
・海軍歩兵(海兵隊)250人以上
・水陸両用戦闘車12両

 このうち、ロシア側から参加したのは、対潜駆逐艦2隻及びそれらの搭載ヘリコプター、揚陸艦1隻(海軍歩兵及び水陸両用戦闘車搭載)、洋上タグボート、補給艦であり、残りが中国側の参加兵力ということになる。中国側はロシア製のSu-30MK戦闘機や空中早期警戒機といった新型航空機も投入した。

 ただ、規模の面で言えば、今回の演習はさほど大きなものではなかった。昨年8月、ウラジオストク沖の日本海で実施された「海上連合2015」の第2段階(第1段階は地中海で実施)には潜水艦2隻や大型揚陸艦を含む艦艇20隻と海軍歩兵隊員500名が参加しているし、2012年の「海上連合2012」となると参加隻数は25隻に達していた。