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多肉植物やテラリウム、エアプランツなど、家の中でも楽しめるような植物が流行り始めて久しい。それはいまや一時の流行りを超えてひとつの趣味としての地位を確固たるものにしている。

しかし、この作品に写されたカップヌードルの空き容器や試験管に植えられた植物は、すんなりとは受け入れがたい。ここには圧倒的な違和感があるからだ。

『Group shot』と題されたこの作品は、tofubeatsのジャケットやロゴのデザイン、PUMAとのコラボレーションで知られるグラフィックデザイナー、GraphersRockが制作しているプライヴェートワークのひとつである。

GraphersRockのデザインは無機的でデジタルな表現をその特徴としているが、かたやこの作品は「趣味の園芸から偶然始まった」と本人が語るように、植物が中心に据えられた有機的なものだ。

しかし、そこにGraphersRockらしさがあるのも事実だ。本来別のモノを受け入れるはずだった器に植えられた植物は、グリッチのようなバグを想起させる。彼のグラフィック作品が事故的なバグを手法として取り込んでいるように、この作品は園芸を「バグ」らせることでその可能性を広げているのだ。

アーティストの世界を精製して得られるのが作品なのだとすれば、これは精製される前の「原液」と呼ぶべきものといえるかもしれない。そして原液だということは、これが“フレッシュ”だということをも意味する。GraphersRockのなかでぐちゃぐちゃに混ざり合った、さまざまな美しさや格好よさが一瞬だけ形になったもの。いうなれば、これは日々関心の移ろう彼の内面を切り取ったスナップショットでもある。

10月8日(土)に渋谷WWW/WWW Xで行われるイヴェント、「大都会と砂丘」ではGraphersRockデザインによる「お花の種」つきTシャツが販売されるという。