韓国人の「情の熱さ」は「ウリ」という言葉で一つになります。ハグをしたりするスキンシップも日本よりは自然です。恩師に続いてもう一人のお客は元同僚の夫婦でした。

 航空会社にいるときはお互いにライバルでしたが、今は懐かしい戦友として迎えました。

 特に奥さんと一緒でしたから余計に神経を遣いました。我々団塊の世代は家庭を顧みず仕事一筋に突っ走ってきただけに、罪滅ぼしのため他人の奥さんでもおろそかにしません。

 スカイツリー、浅草見物、銀ブラ(銀座をぶらぶら歩くこと)、上野公園散策、ゴルフとそれなりにケアした二泊三日だったと思いましたし、喜んでもくれました。

 けれどもソウルに帰ったきり電話一本ありませんでした。

 なんと恩知らずな韓国人だとお怒りになるのが日本人の感性で、日本の生活に浸かっていた私も一瞬「アレッ」と思いましたが、親しい間柄で「ありがとう! お世話になりました! 」と述べることは「他人行儀で一体化していない」と思うのが韓国です。

 この違いを理解しないと「こちらがもてなした」のに「何だ、挨拶の一つもない」と勘違いし、両国とも距離が近く似たような文化を共有していると思いがちなだけに根に持つようになります。

 その後、後日、その同僚とソウルで会ったとき、東京でお世話になったからと豪勢な夕食に招待されました。


●もっと韓国を知るためのことば
 キップン ジョン ジャン ジョン 深い情と細やかな情
 言葉通りの意味ですが日本と韓国の情の在り方を表現しているようです。韓国は細かく気を遣う情よりは「どさっと」暑苦しいほど相手に情を注ぎますが、日本の人は引いてしまうのではないでしょうか。日本では「親しき仲にも礼儀あり」ですが、韓国では深い情を交わしたのに「何を他人行儀なことを……」「水臭い」といわれるのがオチです。韓国人は、例えばお中元、お歳暮などを送られてもいちいち礼状を出したり、会ってもありがとうと言わない方ですが、何かのときに「どさっと」返礼します。


文=権 鎔大(ゴン ヨンデ)
出典=『あなたは本当に「韓国」を知っている? 』(著者/権鎔大 発行/駿河台出版社)