二〇一三年にヒットしたドラマ「金よ出てこい☆コンコン」というドラマに、こんな場面があります。

 愛人が本妻の息子でなく自分の子に家業の宝石会社を継がせるため、本妻が不倫をしたとでっち上げ、追い出します。自分の息子が会社を継ぐ一歩手前で、本妻を陥いれたことがバレ、夫から追求されますがシラを切ります。確固たる証拠が出てきても嘘をついたことの後ろめたさにひるむことなく、堂々と自分の行為を正当化します。次のような論理で。

 追及する夫に「あなたを信じて子どもを産んだのに、女房(本妻)がかわいそうだからと、約束を破ったでしょう! なら私の人生は? あの女を追い出さないと私が血を吐く思いをするわ! 」と抗弁をします。

 また自分の息子に(道徳的観点から)なじられると「人を殺したわけでも法を犯したわけでもないのに何が悪い! 」とはねのけ、息子から「でも一人の人間の人生を台無しにした。それは罪じゃないのか? 」と追求されると「そんなきれいごと言えるのも私のおかげよ。本妻の元で育っていたら愛人の息子で終わってた」とあくまでも自分を正当化します。

 倫理的な問題を置いといて、この母の気持ちは「本妻を追い出したのも息子が日陰者にならないためにしたことで、かわいいお前のためなら何でもする」という息子への強い執着の表れです。またそう言わないと自分の正当性が崩れてしまうので余計に強く言ったに違いありません。


文=権 鎔大(ゴン ヨンデ)
出典=『あなたは本当に「韓国」を知っている? 』(著者/権鎔大 発行/駿河台出版社)