プロ野球のレギュラーシーズンも残すところ数試合。セ・リーグでは広島が優勝し、パ・リーグは本稿執筆時点で日本ハムソフトバンクが熾烈な優勝争いを繰り広げている。

 しかし、明があれば暗もある。セ・リーグでは中日の最下位が決定し、パ・リーグもオリックスの最下位がほぼ確定。

 そんな苦汁を舐めた両球団だが、なかには孤軍奮闘の働きを見せた選手も。そこで今回、両チームの投打で活躍した“敢闘賞”に値する選手を発表しよう。

(成績は9月25日時点)

中日ドラゴンズ

田島慎二
58試合:3勝3敗/18ホールド/17セーブ/防御率1.83

 投手陣の調子が軒並み上がらないなか、ひとり気を吐いたのが田島慎二だ。昨季は防御率2.28の数字を残していたが、登板数が64試合に及び、越年の疲労が心配された。しかし、今季もフル回転。5月後半からは不調の福谷浩司に代わって守護神を務めた。

 8月後半からは夏場の疲れもあってか、やや打ち込まれる試合もあったが、それでも中日投手陣の苦しい台所事情にわずかでも明かりを灯したのは田島だろう。

◆大島洋平
141試合:打率.294/3本塁打/27打点/26盗塁

 昨季は打率.260とやや低調だったものの、今季は持ち直し、リードオフマンとして存在感を発揮した大島洋平。7月20日の広島戦(マツダスタジアム)ではサイクルヒットも記録。“御家騒動”で怒り心頭の中日ファンはこの快挙を思い出して気持ちを落ち着けてほしい。

 26盗塁に対して12盗塁死は少し問題だが、積極性の表れか。来季こそはチームの勝利に繋げたいところだが、FA権取得による去就が注目される大島の活躍の場は果たして何処に!?


◎オリックス・バファローズ

◆平野佳寿
57試合:4勝4敗/8ホールド/30セーブ/防御率1.80

 2014年は40セーブを挙げ、最多セーブのタイトルを獲得したものの防御率3.43。昨季は33試合で防御率4.06と数字を落とし、衰えの兆しが見えた平野佳寿だが、今季は見事に復活を遂げた。

 開幕で守護神を任された新外国人・コーディエが期待はずれだとわかると、クローザーに復帰。吉田一将とともに勝ちパターンを築き上げた。

 先発陣と野手陣の奮闘次第では、チームの大きな武器になる存在だ。来季も変わらぬ活躍に期待したい。


◆糸井嘉男
138試合:打率.310/17本塁打/70打点/53盗塁

 昨季は左ヒザや右ヒジ靭帯、右足首などに故障を抱え、まさに満身創痍で実力を発揮し切れなかった糸井嘉男だが、今季はその鬱憤を晴らすかのような躍動。7月で35歳を迎えたが、走りに走って50盗塁オーバー。チーム唯一の打率3割超えを達成しそうだ。

 そういえば、今季のオリックスは開幕から13戦連続本塁打なしという2リーグ制以降ワーストとなる不名誉記録で幕を開けた。しかし、14試合目で本塁打なしに終止符を打ったのは糸井だった。

 いつも明るく、空気を変えられる男。こちらも中日・大島と同様にFA権を取得。糸井がチームを抜ければ、オリックスは計り知れない傷を負うことになりそうだ。



文=落合初春(おちあい・もとはる)