球団初、念願のCS進出を果たした興奮冷めやらぬなか、DeNAはファーストステージも2勝1敗で突破。ファイナルステージへと駒を進めた。

 奇跡の快進撃を見せるポストシーズンはどこまで続くのか、CSファーストステージを振り返りつつ、ファイナルステージの展望を探る。

◎第1戦先発の重責を指名されたのは井納

 CSを前にエース・山口俊はファーストステージの登板回避が明言されていた。投手陣で切り込み隊長の重責を担ったのは、ペナントレースで巨人戦に好成績を残した井納翔一だった。

 ファーストステージ第1戦、井納は7イニングを7安打2失点に抑える108球の熱投。普段はあまり見せない井納のガッツポーズに、DeNAのCSにかける思いを感じた人は多かったのではないか。


◎梶谷、筒香の一発でファーストステージの行方が決定

 エース・菅野智之を欠いた巨人であったが、第1戦の先発・マイコラスは無難な立ち上がり。巨人打線も先制点を挙げる。

 しかしその後、梶谷隆幸が目の覚めるようなバックスクリーン横への本塁打、さらに1点のビハインドで迎えた6回。DeNAファンの誰もが期待する筒香嘉智が逆転2ラン。普段は物静かなキャプテンは雄叫びをあげた。CSファーストステージの明るい未来を確信させる瞬間だった。


◎歓喜の「康晃ジャンプ」から第2戦へ

 第1戦の最終回、東京ドームは山崎康晃の入場テーマ曲に乗って、「康晃ジャンプ」に大いに揺れた。

 しかし2アウト後、あっさりと試合にピリオドを打つはずが、坂本勇人の痛烈な当たりがスタンド上段に突き刺さる。巨人は初戦を落としたものの、今シーズンのリーディングヒッター・坂本の健在を示した。

 山崎康が坂本に一発を浴びたものの、DeNAは5対3でファーストステージ第1戦をものにする。

 続く第2戦でも、坂本は好投を見せていたDeNAの先発・今永昇太から本塁打。坂本の一発が効いて巨人が2対1で勝利し、1勝1敗に持ち込んだ。


◎そして運命の分かれ目、第3戦へ

 迎えた第3戦、すべてを託されたDeNAの先発はプロ入り2年目の石田健大。5回1/3を4安打に抑えるも、2本の本塁打を浴びてあえなく降板した。

 しかし、このCSファーストステージにはラッキーボーイが潜んでいた。ペナントレースを支えた捕手・戸柱恭孝の陰で大半をファームに甘んじていた嶺井博希だ。途中出場した嶺井は11回、決勝点を叩き出し、ここまでファームでため込んできたパワーを爆発させた。

 DeNAは厳しい接戦続きのCSファーストステージを2勝1敗で勝ち抜けた。セ・リーグのCSファイナルシリーズをペナント3位チームが制した例はいまだかつてない。

 だが、ペナントレース終盤のDeNAの勢い、そして、ファーストステージの戦いぶりを、実戦からやや離れた広島はどう見ているだろう。ペナントレースで先発の柱を担った山口が復帰すれば、日本シリーズ進出も現実味を帯びてきそうだ。


文=元井靖行(もとい・やすゆき)