【ソウル聯合ニュース】韓国外交部に対する国会の国政監査が26日ソウル外交部庁舎で行われ、旧日本軍の慰安婦問題をめぐる昨年末の韓日合意に基づき日本政府が拠出した10億円の性格に関しての説明が政府に求められた。

 最大野党「共に民主党」の姜昌一(カン・チャンイル)議員が10億円について、賠償金なのか謝罪金なのか答えるよう求めると、同部の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官は「日本政府の予算から10億円を受け取ったことは、過去のどの政権もなし得なかった成果」と答えた。

 それに対し、姜議員は賠償金として受け止めているとの意味かと質問。尹長官は具体的な回答をせず、「政府予算から拠出されたことは過去に行われたアジア女性基金などによるものとは性格が異なる部分がある」と述べた。

 アジア女性基金は1990年代に日本政府が慰安婦問題解決のために民間募金の形式で推進した。

 姜議員と尹長官によるやり取りはしばらく続いたが、尹長官は「(日本が)政府として責任を痛感して、内閣総理大臣として安倍首相が謝罪および反省のもと、それを履行するために政府予算から10億円を拠出したものであり、三つを合わせれば国際社会はどのような含意があるのか誰でも分かる」と説明するにとどめ、明確な回答を避けた。

 韓日の合意に基づき韓国政府が設立した「和解・癒やし財団」の金兌玄(キム・テヒョン)理事長と、当時、外交部東北アジア局長として実務交渉を担当した李相徳(イ・サンドク)駐シンガポール大使にも同様の質問がされた。

 金理事長は10億円が賠償金であるか治癒金であるかについて、「賠償金的な性格を帯びた治癒金」と答えたが、質問をした第2野党、「国民の党」の李泰珪(イ・テギュ)議員は、賠償金と治癒金は相反する概念として反論した。

 金理事長の発言に対し、李大使は「日本政府の責任認定、謝罪と反省にともなう履行措置という観点で理解をしてほしい」との立場を繰り返した。金理事長は財団設立準備委員長を努めていた当時の5月、10億円について、「被害者を治癒するための資金であり、賠償金ではないと考える」と説明していた。

 合意をめぐっては、韓国政府が慰安婦被害者を支援するため同財団を設立し、財団が日本政府からの10億円を使って慰安婦被害者のうち生存者に1億ウォン(約910万円)、死亡者にはその遺族に対し2000万ウォン程度の現金を支給する方針を決定。財団側は現金支給を被害者の名誉と尊厳を回復し心の傷を癒やすためのものと説明している。

 一方、日本政府は「国際機関などへの拠出金」という名目で予算から10億円を支払った。

 日本が拠出した10億円を被害者に支払った後の活動について、金理事長は「追悼などの行事により、未来の世代に教訓を残し、より大きい計画を立てて、それを政府が受け継いでいかなければならない」と話した。