【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が9月9日に5回目となる核実験を行ってから1カ月が過ぎたが、国連安全保障理事会での制裁議論は目立った進展をみせていない。むしろ、北朝鮮のさらなる核実験や長距離弾道ミサイルの発射実験を危惧せねばならない状況になっている。

 過去の安保理制裁が北朝鮮の核開発の野望をくじくことができなかったように、今回も制裁が実効性を得られないのではと心配になる。今年1月の北朝鮮の4回目核実験を受けて安保理が3月に採択した制裁決議2270号は、かつてないほど厳しい非軍事的制裁と言われたが、北朝鮮との民生目的の鉱物取引を対象外とするなど抜け道があった。

 安保理の制裁交渉を主導する米国のパワー国連大使は9日、韓国で行った記者会見で「北朝鮮住民の福祉を懸念して例外条項を設けたが、2270号を履行しない方向に例外条項が活用されることもあった」とし「これまでに見つけた欠点を補う方法を探すため、交渉を行っている」と伝えた。

 また「安保理交渉での最大の課題は、中国やロシアを含めた安保理のほかの国が支持する案を作成すること」とも述べ、中国などとの交渉が難航していることを示唆した。米国は民生目的の鉱物取引まで規制する厳しい制裁を目指しているが、中国は北朝鮮政権の存続が危うくなる水準の制裁には依然として難色を示しており、駆け引きを続けているうちに早くも1カ月がすぎた。

 問題は、制裁議論が空転している間にも北朝鮮が核兵器を高度化し続けているということだ。10日の朝鮮労働党創建記念日の前にも、北東部・豊渓里の核実験場や北西部・ 東倉里の長距離ミサイル発射基地、東部・元山の中距離ミサイル発射基地で同時に活発な動きがとらえられた。すぐに行動に移さなくとも、安保理の制裁決議や韓米の新たな独自制裁の内容を見極めた上で、北朝鮮が核実験やミサイル発射に踏み切る可能性はある。

 安保理の北朝鮮制裁の成否は、米国政府が中国をどの程度まで制裁に同調させられるかにかかっている。米国は、違法であるかどうかにかかわらず北朝鮮と取り引きする全ての企業を制裁対象とする「セカンダリー・ボイコット」の実施策を講じたものの、中国との関係があるため頭を悩ませているという米メディアの報道(6日)もあった。政権の交代時期を控えた米国が、中国と真っ向から対立することをいとわずセカンダリー・ボイコットを発動するのは容易ではなく、韓国政府の外交努力が求められている。

 中国がまたしても北朝鮮制裁に消極的な態度をみせれば、韓国と日本で自衛のための核武装要求が一段と強まるのは明らかだ。それは、北東アジアの安定を望むと公言する中国にとって好ましいことでは決してないはずだ。